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昼食&書類作成の後、冒険者ギルドに行って、装備の返却や依頼完了手続を行う。
冒険者ギルド裏側の倉庫で装備一式を出したのち、毎度おなじみ面談室へ。
「それでは私とミーニャは、依頼終了の手続きをしてまいります」
「冒険者証を預かるニャ」
2人が消えた。
厳密にはミーニャさんが超速度で事務所の方へと動いて、クリスタさんが瞬間移動魔法で消えた。
「ここでただ待つのは落ち着かないな。こっちまで講習生は来ないと思うけれど」
「確かに他の講習生に見つかると説明が面倒だよな。嘘を言うわけにもいかないし」
なんてジョンと話していると、まずはミーニャさんが戻ってくる。
「とりあえずギルド貸与共同装備の確認は終わったのニャ。冒険者証は返すのニャ」
俺達が冒険者証を受け取った後、ミーニャさんは更に書類を出して、俺達の方に向ける。
「報酬関係はクリスタが今やっているのニャ。なのでこっちは、パーティ内で使用した分の代金、具体的にはエイダンが用意した補食や矢等の費用の最終確認をしとくのニャ。ということで、ジョンと2人で、これで間違いニャいか確認するのニャ」
どれどれということで、ミーニャさんが出した計算書を見てみる。
内容はまあ、先ほど昼食後にミーニャさんが作ったものを一覧形式に書き直したものだ。
ただ金額が思ったより大きい。
何と72万8,120円と出ている。
このうち実際にかかったのは、矢を100本購入した際の30万円だけだ。
あとは採取した鉄や木炭魔法加工物質が材料だから、金は掛かっていない。
「実際にかかったのは半額以下ですけれど。矢100本以外は材料を自力採取して自作したもので、お金はかかっていませんから」
「矢は使用した分だけ、魚竜討伐に使用した道具は個人装備扱いとして抜く等、これでも最低限で計算したのニャ。だから遠慮しないのが正しいのニャ」
でも……
そう思う俺に、ミーニャさんはさらに言葉を付け加える。
「これで納得しない場合は、私とジョンの装備分を含めて計算をやり直すのニャ」
「俺もそう思う。だからここはエイダンが受け取るべきだ」
ミーニャさんとジョンにそう言われてしまった。
俺が返答できないでいるうちに、ミーニャさんが話を続ける。
「ならこれを報酬総額から引いた後、4人で割ってわけるのニャ。今回は指名依頼相当ニャし完全解決ニャので、なかなかいい報酬にニャるはずなのニャ」
「そうですね」
そんな言葉とともに、クリスタさんが出現した。
俺もジョンももう慣れたし、そろそろ出る頃だと思っていたので、特に驚きはない。
「それでは今回の報酬についてです。二泊三日の指名依頼相当ですので、基本手当が1日3万円の3日分、宿泊手当が2泊分で2万円で合計11万円となります。ここまでは1人あたりです」
うんうん、これだけでも悪くない報酬額だ。
「次にパーティ全体に関する報酬です。依頼そのものの解決報酬が1,027万円。魔物の討伐報酬が合計776体で107万2,800円となります。詳細はこちらの通りです」
倒した魔物の過半はポイズントードとポイズンスライムだ。
だから数の割に報酬が安いと感じるのは仕方ない。
そしてクリスタさんは、ミーニャさんが作成した計算書を手に取る。
「ですのでパーティ全体に対する報酬は、合計で1,134万2,800円となります。こちらの諸費用を引いて1,061万4,680円。これを4人で割って、先ほどの1人当たりの報酬を加えた、276万3,670円が今回の1人当たりの報酬額となります」
「実質一泊二日でこれだけ稼げたのは、久しぶりなのニャ」
ミーニャさんが、しみじみという感じでそんなことを言った。
確かにかなりの額だなとは思う。
「こんなに儲かるんですか、冒険者って……」
戸惑った表情でジョンが呟くのも無理はない。
「今回は鉱山の再開がかかっている事から、依頼達成報酬も高額でした。また難易度が高く、受ける冒険者が現れなかった依頼でもあります。ですから報酬が高額になるのは必然です。
ただ一般的な依頼は1日3万円程度で、これに魔物や魔獣の討伐報酬が加算される程度です。討伐報酬も、通常はゴブリン4~5体程度で、1パーティあたり1日2万円を超える事はほとんどありません」
「クリスタの持ってくるような案件は特殊ニャ。達成者が出なくて報酬が何度か上げられたような依頼ばかりニャ。達成報酬も高いけれどその分大変ニャのニャ。今回は信じられないほどスムーズにいったけれど、こんな事は滅多にニャいのニャ。大体は儲かるけれど、帰ったらもう動けなくなるようニャ疲れる依頼ニャのニャ」
クリスタさんとミーニャさんの説明で、ジョンも状況を理解したようだ。
「つまり今回の報酬は特別なんですね」
「そうニャ。毎回こんなに稼げるニャら、私もギルド職員をしていニャいのニャ」
確かに。
「ジョンさんはまだ冒険者ギルド内2階の、一般冒険者用個室にお住まいのようです。しかしこれで、余裕を持ってギルド外に家や部屋を借りることが可能でしょう。紹介状を書きますので、今日中に商業ギルドに行って住まいを確保することをお勧めします。そうすれば3日に1回依頼を受ける必要がなくなりますので、落ち着いてC級の試験対策をできますから。
あと半年くらいは、ドーソンの街で、冒険者としての依頼をこなしつつ勉強していただくのがいいかと思います。ヘンリーも基本的にこの街で依頼を受けていたことですし」
この辺りは俺と同じパターンだ。
「商業ギルドは、本当なら私が案内すれば楽ニャのニャ。ただ今回の装備の解体と清掃、収納作業があるので今回は一緒に行けニャいのニャ。ただ今日の物件担当はシフト通りニャらモイラなのニャ。モイラなら親切だし気が利くから、心配要らニャいのニャ」
実はミーニャさんは、商業ギルドに行きたくないだけではないだろうか。
以前のことを知っている俺は、そう一瞬、疑ってしまう。
でもクリスタさんが何も言わないところからみると、多分本当なのだろう。
「それでは報奨金の支払です。エイダンさんの分は立て替え分を含め、既に現金で用意してあります。ジョンさんについては幾ら現金で支払い、幾らを商業ギルドの通帳に入れるかを決めて下さい。なお家賃については商業ギルドの通帳から引き落とすことが可能です。ですから当座必要な現金以外は、あまり持ち歩かないことをお勧めします……」