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撮影が終わった阿部ちゃんから連絡が入る。
💚『ラウールが3人でご飯行きたいって』
話す内容はおおかた康二の事だろう。
最近ラウールは康二と仲が良く、友だち以上恋人未満みたいな状態で付かず離れずしているらしい。
たびたびこうして相談と言う名の惚気、たまに愚痴聞きをする。
この日も、ラウールはイタリアンでピザとパスタを爆食いしながら康二が渡仏を応援してくれて嬉しいけどあんまり寂しがってないように思うとぼやいていた。
🤍「俺めっちゃ寂しくてパリにいる時毎日でも電話したいのに、康二くんはそうでもなさそうでさ」
💚「そう言えば前に自分で、顔見たり声聞くと寂しくなっちゃうタイプだから連絡取りづらくて遠距離向いてないって言ってたよ。康二なりにラウールの足引っ張らないように頑張ってるのかも」
🤍「でもぉ…」
🖤「まぁ、寂しがってない訳じゃないってのは事実だよ。ラウールがパリに行ってる時、康二メンバーの家渡り歩いてるからね」
🤍「何それ初めて聞いた」
💚「可愛いとこあるよね。ふふ」
溜飲が下がったらしいラウールは、そこから上機嫌でよく食べよく飲んだ。
ちょっと飲みすぎたので、阿部ちゃんと一緒に俺の部屋に連れ帰って休ませる。
酔ったラウールはクッションを抱え込み、康二くんに会いたいと大きな身体をソファで丸めてぐずっている。
今日は遅くまで仕事なんだそうだ。
こうなったのも一度や二度ではないので、俺も阿部ちゃんも慣れっこだ。
💚「あ、寝た」
🖤「ちょっと見ててくれる?ラウールの着替えとってくる」
ラウールと俺は同じマンションの別部屋に住んでいるので、荷物を取りに行くにもすぐそこだ。
こういう事が二度続いた時に、ラウールがいつも鍵を入れている場所を教えてもらったので、コートのポケットから鍵を借りて部屋を出た。