コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
※注意※こちら以下の要素が含まれます!
オリキャラ、オリジナルストーリー、既存キャラクターとの恋愛、既存キャラクターの解釈違いの可能性etc…
苦手な方はUターン!
大丈夫な方はどうぞ!
オリキャラのプロフィール知りたい方はぜひ第0話をご一読ください!
前回のあらすじ
なんやかんやあって、ほんの少し心を開いた真城は、無事鬼殺隊に入隊する事が出来た。
そして現在、かまぼこ隊と任務を無事終了させた事を祝い、パーティーをする事に!
気になる方は最初から読む事をおすすめします!
それでは!どうぞ!
今日は、炭治郎、善逸、伊之助、禰豆子が真城の屋敷に来る。
任務を無事遂行できた事の祝いをするために。
真城はみんなの好きな食べ物や、美味しそうな料理を作り、机に並べ、待っていた。
(真)「うん、これで準備はいいな。…ふふっ。誰かと祝いをするのは何年ぶりだろうか。楽しみだ。」
そうしている内に玄関の方から大きな声が聞こえる。
(炭)「真城!着いたぞ!」
(善)「真城ちゃん!お待たせ〜!俺が来たよう〜!」
(伊)「おい!まくら!早く開けろ!」
玄関へ向かい扉を開けると、みんな集まっていた。
(真)「あぁ!いらっしゃい!後、私は真城だ、伊之助。まぁ、いい!上がってくれ!料理を用意した!」
炭治郎達は屋敷に上がり、広間に向かうと、たくさんの料理が並べられており、美味しそうな匂いが部屋の中を充満している。
(真)「さっ、疲れたろう?好きな所に座ってくれ。」
(炭)「ありがと…」
炭治郎が礼を言う前に伊之助が料理に飛びつきむしゃむしゃと食べ始めてしまった。
それを善逸は止めようと伊之助を引き剥がしに入る。
(伊)「これ全部俺のだ!」
(善)「そんなのダメに決まってるだろ!真城ちゃんが俺達の為に!作ってくれたんだから!」
(炭)「こら!2人とも行儀よくしなきゃダメだろう?ごめんね。真城。 」
(真)「あはは!構わない!祝い事は騒がしくなってなんぼだ!」
それから各自席に座り、食事を始める。真城と禰豆子は食事ができないため、二人で遊んでいた。
(伊)「おい!ぜんまい!それよこせ!」
(善)「あッ!お前!行儀悪いぞ!」
と2名は取り合いしていてそれを苦笑いしながら禰豆子と遊んでいたが、ふと気になって口を開く。
(真)「そうだ…。3人とも、味に問題は無いか?私は味見ができないからな。ほぼ感覚で作ったのだが…。」
(炭)「問題なんてないよ!すごく美味しいよ!」
真っ直ぐに美味しいと褒められ少し照れてしまう。久々の料理、それも味見が出来ないとなると不安だったのだ。 それでも、美味しいと言われると嬉しい。
(こうして、集まって食事も鬼殺隊に入ってからもできなかったからな…。楽しいものだ。)
思いにふけっていれば、善逸が口を開く。
(善)「そういえば、真城ちゃんは人間だった頃の記憶があるんだよね?なんであるとか分かってるの?」
(真)「いや、なぜあるのかは私にも分からない。」
(善)「そっか…。じゃあ、どうして鬼になったの?これだけ優しい真城ちゃんが鬼になる選択をしたって何かあったの?」
(炭)「ちょ、善逸…!」
善逸の問に一瞬顔を曇らせた真城に気づいた炭治郎を話を止めようとする。
善逸もそれに気づいたのか急いで自分の口を塞いだ。
(真)「……。いや、いいよ。みんなには話そう。ありがとう、気を使ってくれて。ただ、ものすごく重い話になる。祝いの気分を害すがそこは許してくれ。」
真城は禰豆子の頭を優しく撫でながら、今まで誰にも話さなかったその重い口を開いた。
(真)「私は昔、小さな村の娘だった…。山に囲われ、旅人が一年に一人来るか来ないか。そんな小さな村。」
昔の楽しかった思い出を語るように話し続ける。炭治郎達はそれを静かに聞いていた。
(真)「家族が4人、私、母、父、弟。と言っても、小さな村だったからみんな顔なじみで、村のみんなが家族みたいに仲が良くてな。私はそんな明るいみんなが大好きだった。そう、大好きだったんだ…。」
だんだんと、怒りに満ちる顔に変わる。禰豆子を撫でる手が止まる。
(真)「平和に過ごしてある夜の事。畑仕事に疲れ眠ろうとした時、1人の男が私の家にやってきた。黒い髪をした赤い瞳の男…。」
(炭)「…!まさか…!」
(真)「そう。鬼舞辻無惨だ。まず、扉を叩く音を聞き、戸を開けた母がやられ、それを見た父が、私と弟を守ろうと鎌を持って襲いかかったが、適うはずもなく…。私は弟を抱きしめて震えるしか無かった。」
額に血管が浮かぶ感覚がある。
自分がどれだけ恐ろしい顔をしてるのか…。
嫌でも分かるほどに…。
それでも話を続ける。
(真)「次に、私達…。もうダメだと思った時に、弟が前に出たんだ。まだ、言葉もまともに喋れない弟が、お姉を守るんだって。怖いだろうに。その時私はやっと体が動いた。弟を再び抱え、懇願するようにこういってしまったのだ。」
(真)(何でもしますから!弟だけは、どうか!見逃してください!)
その言葉を聞いて全員が、なにかに気づいたように息を飲む。
(真)「ははっ…。察しが着いたようだな。そう。弟を見逃して貰う代わりに私は鬼となったんだ。」
力なく笑う真城に禰豆子は擦り寄り、小さな体で抱きしめてくれる。
(善)「でも!あの無惨が自分の姿を見た弟を見逃すっておかしくない!きっとその弟さん、今狙われてるんじゃ…!」
しばしの沈黙…。
思い出したくないと言わんばかりに、重かった口がさらに重くなる感覚がした。
それでも、口を開く。
(真)「……あぁ。心配してくれている事には感謝する。故にすまない。その心配はいらない。」
(善)「いらないって!そんな薄情な…」
(真)「死んだんだ!…。弟は既に死んでる。弟だけじゃない…。村のみんな全員…。」
(善)「あっ…。」
(真)「…すまん。怒鳴ってしまって。」
下を向き、背を向け、拳を握る。血が出るほどに。
(真)「…。鬼になった私は村を出た。時に、殺してはいないが、人の頃の記憶を持っていると悟られてはいけないと、人を襲った。そんなある日だ…。弟の様子を見に戻ったんだ。遠くから、見ようとした。でも、その時にはもう、村は火に囲まれて、老若男女の悲鳴。絶叫。怒号が響く地獄と化していた。…。」
吐き気がする。気づけば、目から涙が零れていた。歯を噛み締めながら話を続ける。
(真)「私は弟の所へ向かった。でも遅かった。火事で家が崩れ、瓦礫の下敷きになっていたんだ。弟はずっと…。」
(弟)(助けて…嫌だ…お父さん…お母さん…。)
あの時の情景が頭を支配する。忘れようとも忘れる事の出来ない、あの赤くて寒い景色が。
(真)「…。最後まで弱々しくそう言って…。私はその時気づいたんだ。無惨は最初からこうするつもりだったのだと。だから、弟は見逃されたんだと。鬼になった私も記憶を無くす。だから生かしても問題なかったのだと。」
気づけば、嗚咽を漏らし、泣き崩れていた。
涙が溢れて止まらない。一人で抱えていたものが、さらに重くなる。
(真)「悔しくてたまらない!無惨が憎い!気づけなかった…自分が…憎い…。」
この話を聞くと全員が固まる。あまりにも惨い過去。それを聞いて誰が受け止め切れよう。
誰が、真城に声をかけよう。言葉を見失い、ただただ、悔しそうに泣く真城を見るしかできなかった。そんな時…。男の声が聞こえる。
(?)「…そんな過去があったのだな。それはさぞかし憎いだろう…。」
その声と同時に真城の背中を暖かな物が覆う。
見ればそれが羽織だとわかった。過去に羽織らされたものと同じ。
勢いよく顔を上げれば、そこには燃えるような瞳で優しく微笑む、煉獄がいた。
(煉)「すまない。俺も祝いに参加しようとしたところに話しているのが聞こえてな。盗み聞きをするつもりはなかったのだが、全て聞いてしまった。」
そういいながら、真城の頭を大きな手が撫でる。
(真)「…!な、なぜ?お前が…。祝いをするとは、言っていなかったはずだ…。」
必死に強がろうとするが、体に力が入らない。涙が止まらない。
(煉)「…それは後で話すとしよう。今は…。」
そういうと煉獄は真城を抱きしめる。大きな体に包まれる。暖かな体温が冷たくなった心を温める。
(煉)「一人で、よく頑張ったな。」
その一言で張り詰めていた糸が切れる音がした。
(真)「…!うっ、あっ…!あぁっ…。」
真城は初めて大声で泣いた。恨み、悲しみ、不安。その全てを吐き出すように、喉を痛めるほどに叫び泣いた。
煉獄は静かに、そして強く抱きしめた。
という事で、今回はここまで!
長々としてしまいましたが、ご一読ありがとうございました!
いやぁ、書くのが楽しくてつい、毎回長くなっちゃうんですよね〜(;¬∀¬)ハハハ…
とうとう明かされた真城ちゃんの過去!
えぐい過去だなとそう設定した私も思ってます。
でも、やっと話せて良かったね!
それでは!また次回!お楽しみに!