テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
渡会雲雀side
風楽が家を出て言って、しばらく動けなくて。
ただ状況整理するのに必死で。
風楽が⋯色彩消失病⋯?
言じられなくて。
⋯だって、花の色⋯桜が綺麗⋯って。
あれは、俺に合わせようとしてた⋯?
俺が色が見える人だと思ってるから⋯。
なんて考え出したら止まらなくて。
⋯風楽も俺の事を
好きになってくれていたのに。
もう少し⋯早く俺が伝えられてたら
結果は変わった⋯?
なぁ⋯風楽。
俺も好きなんだよ、風楽のこと。
なんてもう居ない風楽に言ったって
伝わらない。
電話をかけても出なくて。
メッセージを送っても
既読になることも無くて。
どうしたら風楽に会えるかだけを考えた
夏休みで。
夏休みが終わる直前、
ローレンに相談をしてみて。
「⋯俺の好きなやつ
⋯俺と同じだった⋯」
そういえば、ローレンは驚いた顔をして。
「⋯まじ⋯で?」
なんて信じれないみたいな顔をするから、
頷けば
「⋯そんなことあんだな⋯」
なんて言われて。
「⋯俺がもう少しさ⋯
早く伝えてたら結果変わってた⋯かな。
風楽と⋯どうにかなれてたのかな」
なんて笑えば
「今⋯なんて言った?」
さっきとは違う驚いた顔をしていて。
「⋯風楽?」
風楽の名前を出せば
「⋯それ⋯おれの弟⋯だわ」
そう伝えられて。
「⋯え?苗字⋯違うよね?」
「そ。離婚してんの俺ん所。
奏斗は、母さんに引き取られて風楽。
俺は父さんに引き取られたからイロアス」
「⋯そう⋯なんだ、
じゃあこの前話してた弟⋯って」
「間違いなく、奏斗」
そう言われて。
「⋯あいつ⋯自分が言いたいこと言って
満足するあたり変わってねぇな」
なんてローレンは笑っていて。
そこから少しだけ、
風楽の小さい時の話を聞かせてもらって。
可愛かったり、おっちょこちょいだったり。
逆にかっこよかったり。
聞けば聞くほど、
やっぱり俺は風楽が好きなんだって思って。
「⋯まだ好き?奏斗のこと」
「うん、好き」
ローレンに聞かれて、ハッキリと答えれば
「⋯その気持ちに気づけないほど、
馬鹿じゃないと思う。俺の弟」
なんて笑って言われて。
最後に
「⋯運命の人?っての、
男同士でもいけるかもよ」
なんて、言って家を出ていった。
運命の人が男同士⋯ってのもビックリするけど。
⋯もし、俺が風楽にしっかりと気持ちを伝えて
色が戻ったら。
なんて少しの希望をもって、
夏休みが開けるのを待ったのに。
「⋯いねぇじゃん」
いつもと同じ時間に登校するし、
下校もするのに風楽に会うことは無くて。
連絡先も多分消されて、手段はなし。
ローレンに、協力しようか?
なんて言われたけど断っちゃったし。
⋯全部、全部俺の力でやりたくて。
だけど意外と、難しくて。
1年の教室に行く気は俺にはなく
ただひたすら、風楽と偶然会うことを
願うしかなくて。
そんな時
「⋯嘘⋯?」
朝起きた時、俺の世界は
少しだけ変わっていて。
白が無くなりつつあって、
黒が多くなっていて。
怖くなる。
20歳がリミットなはずなのに、
黒しか分からなくなるのが怖くて。
⋯助けて欲しい。
⋯風楽に。
なんて思うくらいで。
会えた時、しっかり全部話すから⋯。
お願いだから、風楽に会わせて。
なんて願って1週間。
今日も会えなかった。
なんて歩いていれば目の前に
見覚えのある姿が見えて。
「⋯風楽」
少しだけ歩くスピードを速めて、声をかけた。
振り向かれれば、
会いたくて仕方なかった風楽で。
だけど、顔は凄い暗くて。
あの頃の風楽とは違って、
心配になるくらいで。
「⋯ひ⋯⋯ば」
なんて言う風楽の声は細くて。
「ん」なんて短いけど返事をすれば
嬉しそうにちょっとだけ笑って。
「⋯言いたいこと自分だけ言って
逃げるなんてセコいじゃん」
俺はできるだけ、俺を崩さないように話せば
「⋯ごめ⋯なさい」
なんて震えた声で謝ってくるから
「まぁ⋯俺も同じ状況だったらそうしてる」
そう伝えれば、コクコクと頷いてくれて。
もう⋯風楽は俺の家なんか
来たくないかもしれないけど。
行かないって言われたら
ここで話すって覚悟で、
「⋯もう俺には会いたくねぇかもだけど
もう1回俺の家来てくんね?」
なんて言えば首が取れるんじゃないかって
くらい 頷いてくれて。
「ははっ、良かった。
俺も話したいことあるからさ。
明日、一緒に帰ろ。
⋯じゃ、それだけ⋯だから」
本当はこのまま一緒に帰りたい。
だけど、このまま風楽といたら
俺が泣きそうで。
その場に立ちすくむ風楽を置いて、
歩いていった。
⋯ごめん、風楽。
俺⋯風楽のことが好き。
この気持ち⋯伝えてもいいですか⋯⋯
コメント
1件
第17話、読み終わりました……!雲雀の後悔と切なさがひしひしと伝わってきて胸が締め付けられました。風楽(奏斗)が色彩消失病だったこと、そして雲雀に合わせて「桜が綺麗」って言ってたんだなと思うと切なくて。ローレンが実はお兄さんだった衝撃も大きかったです。「運命の人、男同士でもいけるかも」って言葉、優しくてじんと来ました。最後の再会シーン、雲雀が泣きそうで去る場面がもう……。明日、ちゃんと気持ちが伝わりますように。
りり
つな大福
129
33