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「マユ…⁉」
『エンジン⁉』
噂をすればって感じ。最悪だ。
エンジンは小さい頃、両親が仕事でいない夜に必ず来てくれた。懐かしいな。雷が怖かった日とか、エンジンびしょ濡れになってきてくれたもんな。でも、10歳の頃に、リヨウちゃんに言われて気づいたんだ。エンジンは人たらしだって。それ以降、エンジンに期待はしなくなった。どうせほかの人にも同じ言葉を言ってるだろうし。でも好きだったな。人として。
『ザンカくんも、リヨウちゃんも⁉なんでここに?』
「お前の村がやられたって聞いてすっ飛んできたんだよ!荒らし屋に何で担がれてるんだ?」
「この娘は俺たち荒らし屋がもらう。」
「なんでじゃ💢」
「言ったって意味がないだろ。」
「でも言わないと分からないし、教えてよ〜」
『無視していいよ』
「ああそうだな。」
良い思い出がいくらあろうと、両親が死んだのは掃除屋の任務がきっかけ。悪い思い出のほうが大きいわけ。ザンカくんは彼が入ってすぐに私が鍛冶屋に入ったから、サポーター用の武器を納品するときに喋るくらいであんまり仲良くないけど、、、掃除屋の人にはあんまり関わりたくない。
荒らし屋のアジトに到着した。てか暗くね?それより、人はあんまいないんだね。
「マユちゃん今、人あんまいないなって思ったでしょ。」
『なんでっ?』
「長く荒らし屋やってるとそういうのもわかってくるもんなのよ。荒らし屋は基本ボスからの連絡がない限りアジトには来ないんだよ。1軍以外は。」
「じゃなきゃ獄卒にばれるでしょ。話してなかったよね。私ははクトーニ。よろしく。」
『私はマユ。よろしく。』
「マユちゃんもギバーになれたら即一軍入りだよ。多分。」
『1軍とかどうでもいい。てかなんで私がギバーになれると思うの?』
「そりゃあボスしか知らないよ。おいらたちはマユちゃんを盗ってこいとしか言われてないんだよね。」
『ふ~ん』
「ボス、マユの服は用意しなくていいの?」
「そうだったな。これからはこれを着てくれ。」
『わかった。』
荒らし屋って思ったより怖くないんだね。クトー二って子は優しそうだし、ジャバーは変だけど一緒にいて飽きはしないだろうし、ゾディルはちょっとよくわかんないけど、退屈はしなさそう。人殺しだから警戒してるけど、、、
『着たよ』
「マユちゃんちょーかわいい!!」
『うるさい』
「なんかおいらにだけ当たり強くなーい⁉ひどいよー。おいらマユちゃんのお世話係なのにー」
あれから3年ちょっと経って、私は荒らし屋の1軍として活動している。荒らし屋に入った頃はギバーになれなくて苦しんでたけど、今は人器の使い方にもう慣れた。私の人器は鍛冶屋になるときに掃除屋のみんながくれたゴーグル。人器の名前は妹の名前を取って、「ハナ」。能力は他人の人器の特徴や弱点を見いだし、本気を出せばその人器のコピーを作り出せる。
ゾディルは私がこの能力を出せることを知っていて、この人器で番人シリーズとやらを作ろうとしているらしい。と言っても私はあくまでもコピーしかできないので今は番人シリーズ探しをしている。しかもコピーは1日4回までしかできないので失敗すると結構怒られる。お菓子抜きにされるとか、、、マジでやだ。
「マユ。ちょっといいか?」
『どうしたのゾディル?』
「ジャバーたちと盗んできてほしいのがあるんだが、、、」
さっき言った通り、番人シリーズ探しをしてるが、流石にすぐ見つかることはないので、普通の盗みもしている。今回は天界人を盗むらしい。でもその天界人は掃除屋にいるらしい。掃除屋には会いたくないのにな、、でも天界人が番人シリーズの情報を持っているかもしれないし、より多くの人器のコピーができるように掃除屋に接触しなくてはならない。
荒らし屋に入ってから、掃除屋に接触したことは過去3回ある。1回目は昔いた村で、知っているとおりだ。2回目は掃除屋が私を連れ返そうとしてきたとき。3回目は番人シリーズ探しをしているとき。2回目のときは怖かったな。みんなまじの目してたもん。私たち荒らし屋なら逃げることもできたけど、掃除屋のボスであるコルバスの人器をコピーしたかったのでわざわざ出向いてあげた。結局、コルバスは現れなかったから、すぐクトー二の人器で帰ったけど、、、
「あれー?ここどこだ?」
『何してんの?』
「現地集合って言ってたけどよ、どこが現地かわかんねえ。」
『…』
「そんなあからさまに嫌そうな顔すんなよ。おいらだって方向うん、、音痴だからよ。わかんねえのは知ってるだろ?」
『その地図見せて。』
「ほい」
『あそこじゃん。ここまで来て分かんないとかある?』
「あるある。おおあり。」
『早く行こ。』
やっぱ苦手だ。なんかジャバーって気分屋だからなー。なんかエンジンとリヨウちゃんを足して、割ったのに毒を足した感じがする。シンプルにキモい。無理。
「え!!倒されかけてんじゃん!」
『げ』
ザンカくんだ。やだな。知らない人ならまだしも、知ってる人はな、、やだな。でもなんか人器の使い方うまくなってる?すごいな。私があの人器使ったらどうなるんだろ?今度やってみたい。
「じゃあさおいらが天界人盗ってくるからさ、マユちゃんはあいつの人器コピーしときなよ」
『…!』
「さっきあの人器いいなって思ってたっしょ。」
『ありがと。』
「はああああ”あ”あ”あ”かわい”ーーーーーー😩。死ぬかと思った。」
『大げさ。行こ。』
「はーい」
え?ちょっと待って。私ザンカくんと戦うってこと⁉無理無理無理。やなんだけど、、
『ジャバってもう居ないのか、、』
でもやんないと怒られるしな、、
「そこに誰かおるんか?」
バレてる!!!そうだよねジャバーって叫んじゃったもんね。しょうがないよね。
『久しぶり。ザンカくん。』
「マユ⁉」
『さっき見てたけどすごいねー。その人器。なんか人器の使い方めっちゃうまくなってない?』
「(マユに褒められた。久しぶりじゃ。)」
『めっちゃ嬉しそうな顔するじゃん。だからさ、、、、ザンカくんの人器の情報もらうね。』
「⁉」
『「ハナ」コピー』
「何じゃそれ⁉俺の人器が、、」
『そう。コピーさせてもらっちゃった。すごいねこれかっこいい。』
「やめてくれんか」
『?』
「やめてくれんかって言うとんじゃ。その力、荒らし屋に行ってからのもんじゃろ!!そんな力なくともマユは、、マユは幸せに過ごせたんに、」
『同情しなくていいよ』
「同情やない。マユがそっちに行かせたん後悔しとるんじゃ。お前の両親が死んだときも、掃除屋残うてくればよかったのに、なんで!!」
『私が選んだから、、でもまだ私を掃除屋に入れたいと言うなら、私もザンカくんの敵になんなきゃいけない。それでも掃除屋に入ってほしい?』
「…もちろんじゃ!!」
『じゃあ戦わなきゃね。ザンカくんの人器使っても負けると思うから、ジャバーの使お。ちょっと足止めするだけだし。』
グサッ
「ック」
『大丈夫?この毒はちょっと眠るだけだから安心して、、てかあのルドくん?って子すごいね。あの人器もかっこいい』
「ほんまに変わってしまったんじゃ、、な、、、、」
「マユーー終わった?いこー」
『わかったー』
『じゃあね。』
「っっ待て!!マユ!!」
スタスタ
「どうだったあの人器?」
『なんかめっちゃ手入れされてて使いやすかった。でもジャバーと戦うのに向いてはないかな。』
「ちぇー帰ったらヤろうと思ったのによー」
『やだねー』
あれ?もう外?
「みっけ」
「マユ⁉」
『うげー掃除屋だ。』
4回目の再会だ。めんどくさくならないといいけどな。
next♡…40