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『もしもし、どうしたんだ?独』


久し振りに兄貴に名前を呼ばれて、変な感じがした。


「あ、あのな、兄貴」


「今日、公園でさ、イタリアのドールの伊華って奴に会ってさ、そいつ、自分の姉の王華って奴を捜してんだってさ。大事な姉さんらしくってさ、兄貴、前に王華のこと話してたろ?なんか知らないかなって、思ってさ」


途切れ途切れの言葉をなんとか紡いで、詰まりそうな息をなんとか吸って、吐いて、兄貴に話した。


それから、少しの沈黙が続いた。


『王華さんか、懐かしいな』


暫く黙ってた兄貴が口を開いた。その声は、とびっきり、優しかった。


『確かに、妹がいると言っていたな』


『王華さんは、生きているぞ。元気にしていると、この前電話が掛かってきた』


生きてる。良かった。それなら伊華も喜ばせれるかも。


『俺も、正確な位置を言えるか、と言われれば、口を噤んでしまうだろう』


『あの人は自分の主であるイタリア王国と共に世界中を旅しているらしい。それで明後日、日本にも行くんだとか』


ここに来る、、、?


「日本の何処に来るんだ!?」


俺は食い気味に兄貴に尋ねた。


『確か、京都の先斗町だったか?』


「先斗町、、、」


主会社近くの公園から電車で一時間ちょい位か、。


「ありがとう、兄貴」


『いや、此方こそ、俺に電話してくれてありがとうな』


優しく、全てを包んでくれそうな声で兄貴はそう言った。


その後、プツッと電話は切れて、俺は寝た。​

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