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こにゃ
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#らっだぁ運営
青槍 未来
115
トンッ――
空間を蹴った瞬間。
らっだぁの身体が、消えた。
「⋯っ!?」
思考が追いつかない。
次の瞬間には、空中だった。
重力の歪みを蹴り上げるように加速するらっだぁ。
青い羽織が裂けるみたいに翻る。
エンティティが咆哮した。
黒い腕が、空間ごと叩き潰す勢いで振り降ろされる。
――ギィィィィン!!
空が割れた。
亀裂が走る。
けれど、
らっだぁは止まらない。
空間の裂け目、その“境界”を踏み越える。
有り得ない軌道で。
人間じゃ考えられない速度で。
「――そこ」
らっだぁが呟く。
その瞬間。
ヒュンッ
細い刃が、黒い核を貫いた。
エンティティの動きが止まる。
空気が静まり返った。
数秒。
世界そのものが、呼吸を忘れたみたいだった。
やがて。
――ピシッ
黒い身体に亀裂が走る。
そこから青白い光が漏れ出した。
エンティティが悲鳴みたいな音を上げる。
空が震える。
街が揺れる。
崩壊が、一気に加速した。
「なっ⋯!?」
建物が崩れる。
重力が反転する。
空へ落ちていく瓦礫。
街全体が悲鳴を上げていた。
「らっだぁ!!」
思わず叫ぶ。
崩壊の中心で、らっだぁは静かに刃を振った。
黒い粒子が、風に散る。
エンティティが崩れていく。
そして。
――ドクン。
再び、街が脈打った。
次の瞬間。
世界が、光に包まれる。
眩しさに目を閉じた。
風が吹く。
甘い花の香り。
ゆっくりと目を開ける。
空の亀裂が消えていた。
崩れていた建物が戻っていく。
逆さまの塔には光が灯り、空へ向かう川が静かに流れている。
青白い魚が空を泳いだ。
ガラスみたいな鳥が鳴いている。
――世界が、戻っていた。
「……え」
呆然と立ち尽くす。
さっきまでの崩壊が嘘みたいだった。
らっだぁは小さく息を吐く。
「ギリ間に合ったぁ」
その声が、少し疲れていた。
らっだぁを見る。
青い羽織。
細い刃。
碧い瞳。
そのすべてが少なくとも、
“ただの旅人”には見えなかった。
その時。
カコンッ
街の中央で、何かが起動する音が響いた。
振り向くと、そこには古い標識のような装置が立っていた。
青白い光が文字を浮かび上がらせる。
『次の世界まで 徒歩五日』
しばらく沈黙が落ちる。
その文字を見上げたまま、呆然と呟く。
「……また歩くんすか」
「歩くよ〜」
らっだぁは笑う。
さっきまでの鋭さの消えた、軽い笑顔だった。
「旅だからね」
風が吹く。
修復され、元の美しさを取り戻した空中都市の光が、空へ滲んでいく。
らっだぁは踵を返した。
「じゃ、次の世界に行こうか」
その背中を見つめてから。
小さく息を吐く。
――まだ、
この旅人のことを、俺は何も知らない。
NEXT=♡1000
今回効果音多いですね
コメント
2件
「呼吸を忘れたみたいだった」っていう表現が凄すぎる…何食ったらそんな語彙力ゲット出来るんですか?!