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話が脱線してしまいましたね。

ではなぜ私が全校生徒などの規模ではなく貴方達、このクラスの人だけに言ったのか分かりますか。

それでは、そこの貴方。

顔が青白いそこの貴方ですよ。

「は、はい!」

なぜそんなに焦っているのですか。

「いや、その。えっと中井さんのクラスメイトで手っ取り早く話せるから、とか?」

適当な理由で言わなくて大丈夫ですよ。

全て話します。全て知っています。

安心してください。

とある人間をAとします。

Aは昔から人見知りが激しくていつも隠れるように彼の後ろにいました。

そんなAは紗良の事を好きになって行きました。

そこまでは良かったんです。

当時中学一年生のAは紗良にどうアピールをすればいいのか知りませんでした。

そこでAは彼にどうすればいいのか聞くことにしました。

当たり前のように上下関係がはっきりしていました。

Aはいつも彼に従っていました。

彼はそんなAを従者のように扱っていました。

彼はAに言いました。

“脅せば一発だろ”

本来、普通の人間ならば両思いになることを望むはずなのに、彼は普通ではありませんでした。

何故でしょう。

彼は人を従わせたいような考えを持っていました。

きっとそれは自分になんでも従ってくれるAのせいでしょう。

だからといってAに全ての非があるとは言いません。

というか、彼のその考えの方がおかしいです。

けれどAは脅すという言葉を信じ紗良に言いました。

“僕の言う通りにしないとお前の親友がどうなっても知らないぞ”

紗良は、私思いの凄く優しい子です。

いつも私の事を考えてくれます。

そんな紗良がその脅しをのまない訳には行きません。

紗良はその日からAの道具になりました。

Aはとても頭が良く物理が得意な子です。

そんなAだからこそなのでしょうか、性癖が異常だったのです。

紗良を実験台のように使い、苦しむ紗良を見ては楽しそうにしていた、と。

少しだけ前にありましたよね、化学作品展が。

Aはその化学作品展に嘘発見器を出展しました。

それは確か2位でしたか、特別賞でしたよね。

クラスメイト全員の前で発表をされ誇らしそうにしていた顔をよく覚えています。

けれど、その作品を作るのに当たって実験台となったのは紗良でした。

その嘘発見機は嘘をつくと電流が流れる仕組みになっています。

紗良は本来出展したものの10倍は強く電流を流されたそうです。

凄く、辛くて苦しかったと毎日泣いて私に報告してくれました。

私はそんな紗良を救えなかった。

それは最もな悔いです。

けれどそれ以前に私は紗良を苦しめたAを許すことができません。

愛という名のいにしえよ

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