テラーノベル
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出)かっちゃん。
勝)…は?いず…
出)お願い
出)タヒんで
勝)…
プツッ
勝)…はは…っ…笑
目が覚めると
視界が
僅かに色褪せる白色で沈んだ
ずっと寝ていたのか、
差し込んで来る光が眩しくて仕方がない
窓が心なしに開いている
隙間から流れ込む風が
少し肌寒い
切)バクゴーッ!?!?
まだ視界がぼやけていて
薄っすらとしか見えないが
横に切島が いるのは確かだった
勝)…き…り、しま………
全身が鉛のように重く
指先を動かすことすら苦痛だった
切)ッ、無理に喋んな!!
切)俺、お医者さん呼んでくっから!!
リズミカルな足音が遠くなっていく
…そういえば俺倒れたんだっけ
目立つことやっちまったな…
見るからに俺の身体…
ボロッボロじゃねえか
はは…
もうまともに
ヒーロー活動出来やしねぇな…
誰だよ…おれをこんな姿にしたヤツ
1発ぶん殴ってやろうか
『かっちゃん』
勝)ッ!
『お願い、タヒんで。』
勝)…
夢
あれは確かに夢だった
けれど
別に
出久の言うソレに
従うも従わないもなかった
切)バクゴー!
医)お目覚めですか
なあ、出久
もし_だ。
もし、本当にお前がタヒんでいるのなら
タヒんでやる
って
俺が言ったら
どうする
翌日
外は雪が降っていた
窓越しにしか見ることは出来ないが
吹雪になりそうな雪だった
勝)…さみぃ
退院予定は来週だ
俺はベッドから無理やり体を起こし
床に足をつく
そして立ち上がり
1人
歩き始める
行先は決まっていない
ただ
自分が自分で居られる場所を
探し求めて歩き出す
勝)…ッ
定期的に視界が歪んだり、
空腹ときもちわるさが混ざり合ったり、と
綺麗に歩けなかった
こっそり
裏口から病院を抜け出した
監視カメラなんて気にもせず
腕に繋がれた数本の針を取り
邪魔だという理由で
置いてきた ソレ、
点滴というものに
俺の身体は
どれだけ頼っていたのだろう
ソレが無いだけで
息苦しく、倒れそうになる
そこまでして
俺は一体
何をしているのだろう
どこへ向かっているのだろう
答えは怖いほど明白だった
諦めきれていなかった
なんでもいいから
ただただ
出久に会いたかった
感覚のない足を運び続け
行く宛ては無いにも関わらず
フラフラと歩き続ける
流石に進むことが できなくなり
勝)…ッ……いず、っ……
ドサッ、っと
真っ白な雪の上に俺は倒れた
勝)……っ………
手足の感覚も
全く感じられず
視界もぼやける
もう無理かもな、と
目を閉じる
空から降り注ぐ白い涙は
冷めきった勝己の頬に落ちていく
音も、何も
何も……聞こえない
そのはずだった
誰かの
声が聞こえた
『かっちゃん…?』
それは俺の
大好きな声だった
最後だと思った
聞けてよかったと思った
これが走馬灯だとしても
構わない
ずっとその声が
聞きたかった
たった1フレーズの
俺を呼ぶその声だけで
こんなにも
こんなにも心が軽くなる
勝)……い…ず……く…
声に出すのは久しぶりだった
心地がよかった
勝)…おれ……も………
本音だった
勝)……”そっち”に……連…れて……け…よ……
もう口は回らなかった
意識はもう、途絶えた
爆豪勝己は今倒れた
吹雪の中
誰にも見つからずに
ゆっくりと冷えていく
そのはずだった
何も聞こえない
感覚も、もうない
何も出来ない
ただ、 何故か
暖かかい
そして俺は
この暖かさを
出)ッ起きて!!!!
出)かっちゃんッッ!!!!
知っている
[21話]
〈主から〉
ああああ……泣
もう終わっちゃいそうで嫌だぁぁ…泣
描くの楽しいよおおおおおおおお泣
コメント
4件
今日もめちゃくちゃ上手いです!
うまいですなぁ( ̄∀ ̄)