テラーノベル
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初任務から数日後。
ゆきは廊下を歩いていた。
特に用事はない。
部屋に戻ろうとしていただけだった。
すると。
向こうから誰かが歩いてくる。
見たことのない人だった。
白い髪。
落ち着いた雰囲気。
そして妙に目を引く存在感。
「……。」
相手もゆきを見ていた。
数秒。
沈黙。
気まずい。
めちゃくちゃ気まずい。
「えっと……。」
ゆきが先に口を開こうとした。
その時。
「新人の子?」
先に声を掛けられた。
優しい声だった。
「あ、はい!」
思わず背筋が伸びる。
「長瀬ゆきです!」
「ゆき…ね。」
「私は白上帆乃花。」
「よろしく。」
白上帆乃花。
その名前は歓迎会の時に聞いたことがあった。
確か。
結び屋のメンバー。
「よろしくお願いします!」
ゆきは頭を下げた。
白上は小さく笑う。
「真面目なんだね。」
「よく言われます。」
「…そうなんだ」
「はい。」
「…ゆきは、その。」
「り、りいさんのこと」
◇◇◇
その時だった。
「ゆき。」
聞き慣れた声。
りいだった。
「りいさん。」
りいはゆきの隣まで来る。
そして。
「何してるの。」
「白上さんと話してました。」
「へぇ。」
りいは白上を見る。
「珍しいね。」
「そうっすか?」
「帆乃花から話しかけるの。」
白上は少し笑った。
「だって気になったから。」
「何が?」
「新人。」
◇◇◇
ゆきは二人を交互に見る。
「仲良いんですか?」
「まぁ。」
りいが言う。
「だって帆乃花も私の弟子だし。」
「雑すぎます、師匠。」
白上が笑う。
◇◇◇
少し話していると。
白上がゆきを見た。
「初任務行ったんだって?」
「はい。」
「どうだった?」
ゆきは少し考える。
「怖かったです。」
正直に答えた。
「でも。」
「楽しかったです。」
白上は小さく笑った。
「なら良かった。」
「その気持ち忘れない方がいいよ。」
「え?」
「結び屋にいるとさ。」
少しだけ遠くを見る。
「慣れちゃうから。」
◇◇◇
ゆきにはその意味がよく分からなかった。
でも。
何となく。
白上の言葉は心に残った。
「…また今度言うわ。。」
白上はそう言って歩き出した。
「…はぁ。」
その背中を見送りながら。
「変な人だったなぁ。」
ゆきが呟く。
「そうだね。」
りいも頷いた。
「まぁ。」
「帆乃花は、嫌な人じゃないんだ。」
「え。」
「今度分かるから。」
嫌な予感がした。
そして。
その予感は。
だいたい当たるのだった。
#ご本人様には関係ありません
コメント
2件
読みました〜!!✨ 白上帆乃花さん、雰囲気あってめっちゃ気になるキャラだね…!! ゆきへの「慣れちゃうから」って言葉、なんかグッときた😭 りいさんとの関係もまだまだ謎だし、今後の展開が気になりすぎる…!! るあのすけさんのキャラの空気感、毎回すごく好きです…!続き楽しみにしてます🌸