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にてこ
992
#オリジナルストーリー
苹果🍎
70
「えっ。辞めるんですか?」
「お前が言ったんだろ。”俺以外の熱吸わないでください”って」
「言いましたけど…俺の為に辞めるって事ですか?」
「まぁ、それもそうだし、俺は快が居れば充分だから」
零斗さんは照れのオーラを出しながらそう言う。
「やっぱ零斗さん大好きです」
そう言った後キスをすると、零斗さんの照れのオーラが強くなる。
「お前…早く準備しろよ」
「零斗さんが離してくれないんじゃないですか」
俺の言葉を聞いて零斗さんは俺から離れる。
「ほら、離したぜ」
「じゃあ、準備してきます」
俺はベッドから出て、支度を始めた。
大学が終わり、家に帰る。
玄関の扉を開けると、少しして零斗さんがこっちへ来る。
「おかえり」
「零斗さん。帰らなかったんですか?」
「快に熱貰ってから帰る」
「あぁ、そうですね。今吸います?」
「んー、ちょっとだけ快とダラダラしてぇかな」
零斗さんは好意のオーラを出しながらそう言う。
「分かりました。でも俺、シャワー浴びてくるんでちょっと待てます?」
「いいけど…早くしろよな。寂しいから」
少し恥ずかしそうにそう言う零斗さんにフフッと笑う。
「はい。すぐ終わらせますね」
お風呂から上がり、髪を乾かすと居間に出る。
そして、ソファーに座って待っていた零斗さんの隣に座る。
「出ましたよ」
「SNSのアカウント、しばらくしたら消すからLINE交換しようぜ」
「いいですよ。ちょっと待ってくださいね」
LINEを交換すると、零斗さんが言う。
「これから毎日熱貰いに来ていいか?」
「いいですよ。来る前に連絡してくれれば家にいるかどうか教えれるので、先に連絡ください」
俺がニコッと笑うと、零斗さんも嬉しそうに微笑み、頷いた。
_________
大学の講義室で授業が始まるのを待つ。
隣に座る快はなんだか昨日からずっとニコニコしている。
「快。なんかいい事でもあったの? ずっとニコニコしてるけど」
「お。気になる? 気になっちゃう?」
快は待ってましたと言わんばかりの様子だ。
「うん。気になる」
「あのね、俺、零斗さんと付き合う事になったんだ〜」
「え? すごいじゃん! おめでとう!」
「ありがとう。これから毎日熱貰いに来るんだって」
「毎日?」
「うん。零斗さん、俺の為に仕事辞めるって」
快の言葉に俺は驚く。
「えっ。零斗さん仕事辞めるの?」
「うん。俺が居れば充分だって」
快は照れた表情でそう言う。
「いいな。俺も陽雅さんに”恭也だけで充分”って言われたいよ〜」
「そういえば、まだ陽雅さんと話してないの?」
さっきまでの表情と一変して、心配そうな顔だ。
「うん。明日会う予定だからその時に話すよ」
「そっか。頑張ってね」
「ありがとう。頑張るよ」
そして翌日。全ての講義が終わり、大学を出ると陽雅さんの家へ向かう。
今日は陽雅さんと夜ご飯を食べる。
俺の好きなオムライスを作ってくれるらしい。
陽雅さんの家に着き、中に入る。
リビングに行くと、陽雅さんがキッチンに立っていた。
そんな陽雅さんに近づくと、陽雅さんは俺に気付きニコッと笑う。
「いらっしゃい。今ソース作ってるから先に座ってて」
「はい。ありがとうございます」
俺は陽雅さんに促され、席に着く。
しばらく待っていると、陽雅さんがオムライスを持って来て、机に置いた。
出されたオムライスは丸型で周りに茶色のソースがかかっている。
「わぁ。凄いですね。お店のやつみたいです」
「そんな。大袈裟だよ」
向かいの椅子に座りながらそう言う陽雅さんを食い気味に否定する。
「大袈裟なんかじゃないです。ホント美味しそうで早く食べたいです」
「いいよ。ほら、食べてごらん」
陽雅さんか笑顔でそう言い、俺は頷く。
「いただきます」
スプーンですくい、一口食べる。
(美味っ…!)
あまりの美味しさにもう一口頬張る。
更に一口食べた時、その様子をただ眺める陽雅さんに気付き、俺は慌てて言う。
「あっ、すみません。感想も言わずにどんどん食べて…」
「ううん。いいの。恭也が嬉しそうに食べてくれて、俺も嬉しいから」
陽雅さんがニコッと笑う。
「ありがとうございます。これ、めっちゃ美味いです」
「本当? 良かった。恭也の好みの味付けか分からなくてちょっと心配だったんだよね」
「好きです。この味。デミグラスソースですよね」
「うん。普通にケチャップでも良かったんだけど、なんか張り切りたくなっちゃって」
陽雅さんはそう言ってニコッと笑う。
「ありがとうございます。陽雅さんも食べてください」
「うん。食べるね。いただきます」
陽雅さんは一口食べると、呟く。
「美味しい」
「美味しいですよね」
「うん。美味しいね」
陽雅さんはそう言ってニコッと笑った。
オムライスを食べ終わり、食器を片付けようと立ち上がると、陽雅さんが立ち上がりながら言う。
「いいよ。俺が持ってくから」
「あ、すみません。ありがとうございます」
食器を渡すと、陽雅さんは受け取り、歩き出す。
「お皿洗ったらすぐ行くから先に二階上がってて」
歩きながらそう言う陽雅さんに、俺は言う。
「あの、実は話があって」
「話? 何?」
「えっと…大事な話なので座って話したいです」
「分かった。ちょっと待ってね」
陽雅さんはシンクに食器を置くと、水をかけた後、こっちへ来る。
「あの、洗ってからで大丈夫ですよ」
「ううん。大事な話なんでしょ? お皿は後で洗うから大丈夫」
陽雅さんはそう言いながら椅子に座る。
「すみません。ありがとうございます」
「うん。それで、話って何?」
「えっと…」
緊張で心臓がバクバクと音を立てている。
俺は深呼吸をした後、陽雅さんを見た。
「俺、陽雅さんが好きです。もし良かったら俺と付き合ってくれませんか?」
陽雅さんはしばらく俺を見つめた後、目を伏せる。
「ごめん。この前も言ったけど、俺、恋人作る気無いんだ。だから恭也とは付き合えない」
分かっていたけど、実際に聞くと、胸がぎゅっと苦しくなる。
「…恋人を作る資格が無いからですか?」
「うん。そう。俺は恋人なんて作っちゃいけないの」
「なんでそう思うんですか?」
「それは…」
陽雅さんはそこで口を噤み、俯く。
しばらく沈黙が続き、俺は勇気を出して問う。
「…優真くんの事、後悔してるからですか?」
陽雅さんは驚いた様子で顔を上げ、俺を見る。
「なんで優真の事知ってるの?」
「陽煌さんから聞きました。陽雅さんは人殺しだって。気になるなら調べてみなって言われて調べたら優真くんの記事が出てきたんです」
「…そう。兄ちゃんが」
「はい。俺、陽雅さんの事知りたいです。だから、優真くんの事、教えてくれませんか?」
陽雅さんは目を伏せ、しばらく黙り込んだ後、口を開く。
「…分かった」
「ありがとうございます」
俺の言葉に陽雅さんはニコッと笑う。
少し間が空いたあと、陽雅さんはゆっくり口を開いた。
コメント
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うわあああああ!!!第29話、最高すぎた!!😭💕💕 零斗さんが快くんのために仕事辞めるって決めたの、マジで尊すぎて倒れるかと思った...「俺は快が居れば充分」って、もうそれだけで拍手ものだよ!!!👏✨ そして恭也くんの告白シーン...陽雅さんの「恋人作る気ない」と優真くんの話が出てきたところで一気に切なくなった。オムライスのほっこり感から一転して胸がギュッとなる展開、もう感情が忙しすぎるよ!!😢💔 でも陽雅さんが話してくれるって決めてくれたから、次がめっちゃ気になる!!この二人にも幸せになってほしいなあ...💫 灯依さん、今回も胸キュンと切なさのバランスが神でした!!続き楽しみにしてます🌸