『はぁッ、!』
寝ていたベッドから、勢い良く起き上がる。
自分の額からは、汗が滝のように溢れ出していた。
そのせいで、髪が頬について気持ち悪い。
『(私、生きてる…?)』
服をめくり、腹を見てみても、傷跡なんか1つもない。
心臓も、これとばかりに動いている。
傷跡はないのに、刺されたときの痛みは鮮明に覚えているのは何故だろう。
『う”っ、!』
夢の中だったのかは知らないが、そのときに見た光景と痛みで、胃がひっくり返りそうになる。
思わず口を手で塞ぎ、トイレへ駆け込んだ。
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『っう”ぅ…きもちわる』
トイレから出てきて、リビングのソファに寝転ぶ。
丁度そのとき、スマホのアラームが鳴る。
『…え”っ』
時間を見ると、8時丁度を示している。
私の学校は8時30分までに登校していないと遅刻扱いだ。
『やっばい…!』
急いで立ち上がり、制服に着替える。
ある程度 髪を整えてから、家を後にした。
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朝日が差し込む無人の廊下に、チャイムの音と、自分の息遣いが響く。
教室へと走り、扉に手をかけ、勢いよく開く。
『はっ、おくれ…ましたぁ…っ』
なんとか上がった息を整えようとするが、普段の運動不足のため、中々収まらない。
担任は「珍しい。」と驚いていたが、追求はしなかった。
いつもの真面目っぷりのお陰で、目を瞑ってくれるのだろう。
自分の席へ着き、ふっと一息。
hskw「珍しいじゃん。○○が遅刻なんて。」
前の席に座っている星川が、プリントを回すついでに話しかけてくる。
いや、星川に関しては逆か。
『まぁ、ちょっとね…』
hskw「パンくわえて走ってたら、イケメンとばったり角でぶつかっちゃったとか?」
『少女漫画の見すぎ』
小悪魔のように笑う星川の頭を、
回されたプリントで軽く叩く。
「ふふっ」
その会話を聞いてか、
吹き出したように笑う隣の彼。
ふっと横を見てみると、
カフェオレ色の髪をした天使のような男の子。
彼の顔を見た途端、
体が凍ったように固まった。
kne「ごめん、面白くってつい」
━━━━アイツだ。
夢の中(仮)で起こったことが、
トラウマのようにフラッシュバックする。
はくはくと、金魚のように口を動かすが、
言葉を発するなんてもってのほかで、息すら出来なかった。
コメント
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好きっ!! こうゆうの好き!!死に戻り大好きだし 記憶に残ってんの最高!!続きが楽しみ!!