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夏休みの後半、晶子は学校の短期ホームステイプログラムでアメリカへ行った。同級生計3人一組で、中西部の地方都市に10日間滞在し、地元の高校生たちと交流した。
何度か家族で海外旅行をした事はあったが、そんなに長期間外国で生活するのは晶子には初めてだった。
しかし、学校でみっちり叩き込まれてきたはずの英語の知識が全く会話では発揮できず、あまりアメリカ人との交流もできないまま、帰国の途に就いた。
帰国した翌日、カンナから早速チャットアプリのメッセージが来て、夏休み最後の日の夕方を共に過ごす事になった。
良太との例の一件があったため、晶子はおっかなびっくりでカンナと会ったが、カンナの態度には微塵も変化はなかった。むしろ晶子が拍子抜けするほど、カンナはあっけらかんと接して来た。
駅前のショッピングモールのフードコートでアイスティーを飲みながら、カンナは晶子に土産話をねだって来た。
「なあなあ、それでどうだったよ、アメリカって。ブロードウェイとかタイムズスクウェアとか、どんな感じだった?」
晶子は苦笑しながら答える。
「カンナ、それ全部ニューヨークだよ。あたしが滞在してたのは、牧場とか農園のある地方の町だったから」
「え? ええと、ニューヨークとかロサンゼルスとかには行かなかったのか?」
「観光旅行じゃなくて、学校の行事みたいな物だから」
「はあ? 何だ、つまんねえ話だな。じゃあ、アメリカ人の彼氏とかは?」
「それこそ、ある訳ないよう。向こうでも異性との交遊は禁止されてたし」
「たく、何でも禁止、禁止って。そんなもん無視すりゃいいじゃねえか」
「仕方ないよ。もし大学を推薦で受ける事になったら、推薦書の内容に響くし」
「晶子は真面目過ぎるんだよ」
「あたしだってカンナみたいに自由に出来たらなあと思う事あるけど、将来を考えるといろいろとね」
「やれやれ、勝ち組も楽じゃねえんだな。けど修学旅行の時はもうちょっと羽目外せよ」
「うちの高校、修学旅行は無いよ」
「は? そんな事あんのか?」
「今度のショートステイが修学旅行の代わりって感じかな。ほら、前にうちの高校では2年生の終わりまでに3年生までの授業終わらせるって言ったでしょ。だから修学旅行は無いの、時間がもったいないからって」
「そんな高校がこの世にあったのかよ。じゃあ旅館で女子で集まって一晩中コイバナとか、枕投げとかも無しか?」
「あ、そうだ。カンナにお土産買って来たんだった」
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宇津Q
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コメント
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みぅです🤍🥀 読了しました。 カンナの「つまんねえ話だな」「勝ち組も楽じゃねえんだな」って言葉、あっけらかんとしてるようで、晶子のちょっと固い感じを的確に突いてて、何だかリアルな距離感だなって思いました。アメリカの話も、晶子が話題を「お土産」で切るところも、なんかこう、すれ違いを感じるっていうか…。晶子の真面目さとカンナの自由さ、その温度差が切ないです。次が気になります。