小さな寝息が部屋に聞こえ始めた頃
彼も泣いていた
ナツメ ごめんね…らだおくん………
ナツメ 僕が君にとっての最後の砦だったのかもしれない…
ナツメ 僕は君に何も言わずに行ってしまった
ナツメ こんな僕を許してほしい……そして今だけでも君の先輩で居させて欲しい
ナツメ らだおくん…君は僕の永遠の愛弟子だよ
ナツメ 君はもっと自分を大切にして
ナツメ このままじゃ僕の道を辿ってしまうから………
チュンチュンッ
小鳥の囀りで目が覚めた俺は体を起こそうとする
力が入らない
らだお あ“れ……
なんだ?声もおかしいような………
ガチャリ
ドアが開きナツメ先輩が入ってくる
ナツメ おはようらだおくん
らだお お”ばよう“ございまず……
ナツメ 喋んなくていいよ
俺は頷いた
ナツメ 全く…らだおくんは他人の異変には気がつくのに自分の異変には気づかないんだから
らだお あはは……ゴホッッ…ゴホゴホッ
俺がどうしてこうなっているのだろうか…的な視線をナツメ先輩に向けるとナツメ先輩は察してくれたのか答えてくれた
ナツメ らだおくん君は今重度の風邪だからね?
らだお か…風邪…?
ナツメ そう
らだお なんで…?俺…風邪に…ならない…と………ゴホッ思って…たん……だけど…なぁ…ゴホッゴホッ
ナツメ 睡眠不足、栄養失調、カフェイン摂取過剰、脱水症状、免疫力低下………とか要因がありすぎるくらいだよ…
ナツメ 逆になんで今まで動けてたの?ってくらいやばかったんだからね……
らだお あは…は……ゴホッゴホッ
ナツメ まぁ数日は安静にしてなきゃいけないから僕が看病するよ
らだお そんな……迷惑…かけ…ゴホッゴホッ
ナツメ らだおくんはもう喋らないでいいから!あと迷惑じゃない
らだお じゃあ……たまには……ゴホッ…看病……ゴホ…お願い…します…ゴホッゴホッ
ナツメ うん!いくらでも甘えていいからね
らだお wwそうっすか
たまにはこういうのも……いいかもね