テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
クリオネ?
71
#一般人
クリオネ?
34
あべさく正義♡
12
クリオネ?
139
今回からは、ちょっと文字との間が短めにします。
読みにくかったら言ってください元に戻しますので
ではどうぞ
第2話:運命の衝突
「翔太、靴履くよ。いい子だね」
玄関で自分の靴を履き、翔太の小さな足にベビーシューズを履かせた涼太は、鍵を手に取ってドアを開けた。
涼太が住んでいるのは、防音性が高くプライバシーが守られた静かな分譲マンションだ。
住人同士の付き合いも最低限で、普段の廊下は静まり返っている。
少し急ぎ足で保育園に向かおうと、涼太は勢いよく自室のドアを開けて一歩を踏み出した。
――その瞬間だった。
「わっ……!」
「おっと、失礼いたしました!」
ドスン、と軽い衝撃が走る。
曲がり角から歩いてきた「隣の部屋の住人」と、正面からばったりぶつかってしまったのだ。
涼太はバランスを崩しそうになったが、間一髪のところで相手の長くて強い腕が涼太の肩をしっかりと支えてくれた。
抱っこ紐の中にいる翔太にも衝撃はいかず、怪我ひとつない。
「すみません! 前をよく見ていなくて……翔太、大丈夫か!?」
涼太は慌てて自分の胸元にいる翔太の無事を確認し、深く頭を下げた。
「本当に申し訳ありませんでした、お怪我はありませんでしたか?」
「いえ、こちらこそ不注意で申し訳ありません。お子様は……お怪我はありませんか? びっくりさせてしまいましたね」
低く、心地よく響く落ち着いた声。
そして、恐ろしいほどに洗練された丁寧な言葉遣い。
相手の気遣い溢れる言葉にハッとした涼太は、「大丈夫です」と答えようとゆっくりと顔を上げた。
「あ、はい、子供も大丈夫で――……え?」
そこにあった顔を見た瞬間、涼太の思考は完全に停止した。
スラリと伸びた高い身長。
引き締まった高い鼻梁に、吸い込まれそうなほど澄んだクールな瞳。
そして、どこからどう見ても完璧としか言いようのない、整いすぎた圧倒的な容姿。
それは、つい数分前まで涼太がテレビの画面越しに見ていた顔そのものだった。
(え……? め、目黒……蓮……!?)
涼太の頭の中が大混乱に陥る。
目の前に立っているのは、間違いなく日本中を熱狂させているトップアイドル、目黒蓮だった。
黒のシンプルなニットにロングコートというラフな私服姿ではあるが、隠しきれない圧倒的なオーラと清潔感が溢れ出ている。
「あ……あの、あなたは……」
言葉を失い、目を見開いてフリーズする涼太に対し、目黒蓮は嫌な顔ひとつせず、実に綺麗で礼儀正しいお辞儀をした。
「初めまして。昨日、こちらの隣のお部屋に引越してまいりました、目黒と申します。ご挨拶が遅くなってしまい、大変申し訳ありません」
そう言って、目黒は柔らかく、しかしどこか凛とした笑みを浮かべた。
その立ち振る舞いは、テレビで見る姿以上に気品に満ちており、道行く老若男女誰もが恋に落ちるという噂も納得の完璧さだった。
「え……お、隣……?」
「はい。お騒がせしないよう細心の注意を払いますが、何かとお邪魔することもあるかと思います。どうぞよろしくお願いいたします」
29歳のトップアイドルが、隣の部屋に越してきた。
しかも、目の前でこれ以上ないほど丁寧かつ謙虚に頭を下げている。
「あ、うー!」
状況が理解できずに固まっている涼太の胸元で、翔太が不思議そうに声を上げ、小さな手を目黒の方へ伸ばした。
目黒は視線を下に落とすと、一瞬でそのクールな目元を優しく和らげた。
「可愛いですね。……怪我がなくて、本当によかったです」
そう言って翔太の小さな手にそっと指先を触れさせた目黒の横顔を、涼太はただ呆然と見つめることしかできなかった。
『雲の上の存在』だと思っていた大スターとの距離が、ゼロになった瞬間だった。
コメント
1件
わあ、いきなり隣の部屋がまさかのトップアイドル……! 涼太さんが固まっちゃう気持ち、すごくわかります。テレビの中の人が目の前に現れて、しかもあんなに丁寧で気品があるなんて、衝撃的すぎますよね。でも何より、翔太くんの小さな手にそっと指を触れさせる目黒さんの優しい横顔に、胸がギュッとなりました。雲の上の存在が急に身近になる瞬間、この先どうなるんだろう……続きが気になりすぎます✨