※オリジナル
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私の彼氏は浮気性だった。数年前は数えきれないほどの女との関係があった。でもその時に私は別れることなんて考えていなかった。だっていくら浮気されても好きだから。でも私だけを見ていて欲しい…。
そんなとき、私は親友に彼のことを相談した。親友はいつも的確なアドバイスをくれるから。
私 「ってことなんだけどどうしよう…」
親友 「うーん…事実を確認した上でよく話し合う…としか言えないな~…」
私 「やっぱりそれがいいよね…」
私はもらったアドバイス通りにした。
私 「ねぇ…浮気してるよね…?」
彼 「っ…!ごめんっ…!つい魔が差しただけなんだ!ほんとにごめん!」
私 「えっ?!…あ、うん…」
彼があまりにも全力で謝るから、もう二度と浮気をしないと約束し、今回のことは見逃すことにした。
浮気のことから少し経ったころまでは昔のような優しい彼だった。でもまた最近、また冷たいのだ。
私 (また浮気してるの…?)
でも浮気なんて確証もなければ浮気の証拠もない。迷った挙げ句私はまた親友に相談することにした。
親友 「前のことがあったし…気にしすぎなんじゃない?」
親友 「それか、たまたま機嫌が悪くて冷たく感じちゃったとかさ」
私 (じゃあやっぱり私の杞憂なのかな…?)
数日後…
現在の時刻は午後11時。今日は定時のはずだった。予想外の残業が入って帰りが遅くなってしまった。今日は彼も遅くなるとのことだった。時間のせいか人通りは少なかった。途中、聞き覚えのある声が聞こえた。そこには、彼と親友が抱き合っていた。
親友 「え~? もう帰っちゃうの?」
彼 「さすがにバレるから…でもまた近々会おうな」
私 (は…? なんで? なんであんたが彼と一緒にいるの? そこで何してるの?)
今にも溢れだしそうな怒りを抑えて帰路についた。
彼 「ただいまー」
夜遅く、何食わぬ顔で帰ってきた彼。まさかあんな形で親友と彼氏に裏切られるなんて思わなかった。それでも彼を好きでいる私はおかしいのだろうか。でも、このままじゃまた浮気する。本人達はバレていないとでも思ってるの?浮気のことを彼に問いただそうかと思ったが私はそれをせずに何も知らない振りをした。
午前3時…
彼 「うわああああ!」
真夜中に突然、彼が叫んだ。
私 「どうしたの?」
彼は青ざめた顔に酷く汗をかいていた。
彼 「悪い。ちょっと悪い夢をみてさ…」
私 「ふ~ん…そっか」
少し冷たい返事をして、もう一度眠りについた。
彼 「うわああああ!!」
彼はここ最近ずっと悪夢を見るようになった。そして、毎回午前3時に飛び起きる。だから私たちは別々の部屋で寝るようになった。彼は寝不足か少しやつれたように見える。そんな状態が続くせいか浮気もしなくなった。
私は悪夢のおかげで彼の浮気癖が無くなり嬉しかった。
久しぶりにあった親友も悪夢に悩まされていると私に相談してきた。話を聞いている限り悪夢は彼より酷いらしい。
私 「疲れてるんじゃない?」
親友 「最近忙しくなかったからそんなはずないんだけどな…」
私 「うーん…誰かに恨まれるようなことしたとか? なんてね?w」
親友 「まさか……w」
そう言った親友の顔はひきつっていた。
そういう私の内心は「ざまぁw」と思っていて、話を聞いていくほど私は内心笑いが止まらなかった。
おっとと。この本は奥にしまって置かなきゃ。あとこれもね。私は一冊の本と2本の髪が入った小さな袋を誰にも見つけられないようにしまった。
私 「これいつまで続けようかな」
二人の悪夢は私が原因だ。
「許せない相手に。絶対に効く呪いの本」