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???「もうすぐ中秋の名月ですね」???「真ん丸お月様って奴だね〜」
???「…………」
ここは、生徒会室。「雨花」、「橙」は「中秋の名月」について話していた。黙っているのは「兎白」。
橙「兎白さんは月についてどう想います?」
雨花「わたしは新月の方が好きだけどね〜」
兎白「…………」
雨花「どうしたの?兎白くん。ずっと黙って」
橙「何かあったんですか?」
兎白「いや、桃時にプロポーズしたくて」
雨花「あら」
橙「へぇ。そうなん……ん?ん!?今何て言いましたか!?」
兎白「だから……」
「「桃時にプロポーズしたい」」
橙「えぇぇぇぇ!!!!」
雨花「何でそう想ったの?まだ早くない?」
兎白は真面目な顔で話す。
兎白「もちろん今すぐ結婚するって話じゃない。結婚の約束だけしたいんだ。……桃時はいつも母親がいないだろ?」
雨花「…………」
橙「そうですね……そういえば桃時さんってお母様の話はなさらないですね」
兎白「俺はいつも母親がいない桃時の姿をみているととても寂しそうに感じるんだ。だから家族になりたい。それに本当はこんなの表向きな理由で、本当は桃時と早く家族になりたいだけなんだけどな……ふはっ」
雨花「……本当に兎白くんは桃時ちゃんのことが大好きなんだね」
橙「純愛ですね。……結婚か。まだまだ程遠いようで関係ない話じゃないですよね」
雨花「お金もかかるし、結婚したいと望むなら頑張らなきゃいけないことが増えるけど……兎白くんはその覚悟はできてるの?」
雨花は真っ直ぐ兎白をみつめる。すると兎白はさらに真っ直ぐな眼差しを向ける。
雨花「…………あはは!こりゃあ頼もしい旦那さんになりそうだ〜」
橙「お金ですか……兎白さんはそういえば将来について何か考えてることあるんですか?」
兎白「内定は貰った」
雨花「え?マジ?」
橙「え、」
「「えぇぇぇぇ!?!?」」
兎白「結婚したいと想ってるんだ。将来のことはもっと考えないといけないからな」
橙「ど、どうやって貰ったんです?!」
兎白「薬品についての論文をかなり頑張って書いて、ある大学に提出したんだ。そしたら、その大学と繋がってる薬品関係の会社の内定を出してくれたんだ。本当はその大学や難関大学を卒業しないと入れない会社なんだが……」
橙「すごいじゃないですか!!」
雨花「あ、愛の力……恐るべし……」
兎白「なぁ。いつ言えば良いと想う?」
橙「そうですね……」
雨花「あはは!決まってるじゃん!」
橙・兎白「え?」
雨花は力強く窓を開ける。
雨花「もうすぐ中秋の名月。あの真ん丸なお月様をみせたいって言って一緒にみるんだよ!お月見はムードがある。すごくプロポーズのシチュに向いてるんじゃない?」
橙「満月の下でプロポーズ……素敵ですね!」
雨花と橙はニマニマしている。
兎白「分かった。その日頑張ってみよう」
雨花「がんば〜」
桃時「頑張って下さい!」
果たして兎白のプロポーズは上手くいくのか……?
【続く】