M.「ゔっ…がはっ..げっほげほっ…」
R.「元貴っ…、」
心配で今にも泣きそうな顔で
背中をトントンと叩いてくれる。
揺らいだ火が消えるのはもう其処
M.「だいじょぶっ…がはっ….」
R.「元貴っ、?!血がっ…」
咳が出るので手を添えてした所、
血が手にべっとりと着いた。
R.「..拭くねっ、」
涼ちゃんは俺の手を右手で引き寄せ、
左手で持参のウエットティッシュを使い、
俺の手を綺麗にする。
M.「…もう、そろそろだなぁ。」
そう言いながら入院ベッドに
ゴロンと勢いよく寝転がる。
僕には時間が無い様だ
R.「..元貴ぃっ…」
我慢していた涙をボロボロと流す涼ちゃん。
M.「..泣かないで、涼ちゃん。」
俺は拭いてくれた手で
涼ちゃんの頭を撫でる。
R.「元貴ぃっ..死なないでぇっ…」
M.「….、」
なんとも言えなかった。
M.「..笑って欲しいなぁ。
_ 俺、涼ちゃんの笑顔が1番好き。 」
ふっと微笑みかける。
R.「僕もっ..元貴の笑顔が
_ 1番好きだよぉっ…」
M.「..若井達にはなんて
_ 説明してくれたの?」
R.「..元貴はっ…
_ 実家に帰るらしいって…」
M.「..黙っておいてくれたんだ、笑」
R.「ゔぅ゛ぅ゛〜っ…」
頭を擦り付けながら
俺の入院着で涙を拭く。
R.「僕っ、..元貴がさぁっ、?
_ バンド誘ってくれて…
_ めっちゃくちゃ嬉しかったよぉっ… 」
M.「…うん、」
R.「初めて必要とされてっ…
_ 僕っ..元貴と出会えて
_ 良かったぁっ…」
M.「俺も涼ちゃんと
_ 出会えてよかった、笑」
入院着に顔を埋める涼ちゃんの身体を
しんどい身体で ぎゅっと抱きしめる。
M.「..俺らの出会いって、
_ “偶然”じゃなくて、“必然”
_ だったのかもね、笑」
R.「うんっ..絶対そうだよっ…」
涼ちゃんも抱き締め返してくる。
心の雨が上がるのももう其処
M.「..やだなぁっ..まだっ….
_ 死にたく..ないなぁっ…、笑」
ポロポロと涙が零れる。
初めて涼ちゃんに弱みを見せてみる。
R.「生きてよぉっ..元貴ならっ…
_ 心臓病ぐらい余裕でしょっ…、?」
M.「馬鹿言えっ、笑
_ そんなに最強じゃないわ、笑」
やっぱり、涼ちゃんは涼ちゃんだ。
この世には勿体のない事だ
M.「…ふぅ。」
少し疲れたのでベッドに寝転がる。
M.「..あれ、笑」
視界が霞んで見える。
R.「…手、冷たいよぉっ…」
そういいながら俺の右手を握っている…
…はず….。
なんだろう。
手の感覚がない。
灯りが消えるその時に
R.「元貴っ…元貴ぃっ…」
ピントが合わなくてわからないが、
多分..泣いてくれている。
俺の「死」に、泣いてくれている。
「貴方」が泣いたんだ
M.「だい…じょ〜ぶっ….」
感覚が無い口と、息が絶え絶えになる声で
涼ちゃんに語りかけ、
涼ちゃんが安心できるように笑う。
僕が笑った様に
R.「..なんで根拠もないのに
_ そんな事言えるんだよっ…笑」
「貴方」は泣いて笑った様だった
嗚呼良かったこれで
安らかに消えれる
とくっ……..とくっ………..
鼓動がゆっくりになって来ている。
あの頃のメラメラと燃えていた心臓は
何処へ行ったのか。
火の灯りが僕の命なんだ
M.「..さよなら.. 元気でねっ… バイバイ
_ …だい…すき…..、だ..よ…..」
灯火は静かに息を絶えたが
R. 「僕も大好きだよっ、..愛してるっ、
_ ..笑わせてくれて..ありがとうっ…」
キミに灯った様だった
R.「元貴..笑」
キミが笑った様だった
灯火 𝐹𝑖𝑛.
コメント
34件
見させて頂きました、、 見入ってしまい、ガチめに泣いてしまいました、、
ふぇぇん泣くって😭
もうね、えのの作品は泣かしに来てるのよ まじでねぇ…泣かすのやめてくんない!?ナースエイドみて泣いたばっだからっっ!