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シャーリーさんはついに、私の「醜い密会現場」を捏造しようと考えたようです。ある日、私の下駄箱に一通のラブレターが入っていました。
『リリアーナ様、放課後、旧校舎の裏に来てください。――ゼノより』
「まあ、ゼノ君。お手紙なんて、改まっていますわね。お返事なら今ここで……」
「……あ? 俺がそんなまどろっこしい真似をするか。それは『偽物』だ。あいつ、俺の名を使いやがったな」
ゼノ君は一目でそれを見抜きました。
放課後の旧校舎。そこには、王太子殿下を連れたシャーリーさんが隠れていました。私が誰か知らない男と抱き合っているところを殿下に見せつける算段でしょう。
ところが、私が現場に着くと、そこには誰もおらず、ただ一匹の**「泥まみれの大きな野良犬」**が寂しそうに座っていました。ゼノ君が事前に、用意されていた男を気絶させ、代わりに迷子犬を置いておいたのです。
「あら、ゼノ君! この子が『大事なお話』をしたかったのね! お腹が空いているのかしら?」
私はニコニコして、泥だらけの野良犬をギュッと抱きしめました。
「殿下、見てください! リリアーナ様が不潔な野良犬と……あ、あれ? 男の人は……?」
「まあ、シャーリーさん、殿下! 見てください、この子とっても可愛いですわよ! 皆様にも紹介しなきゃ。迷子犬保護ライブ、開始ですわ!」
私は鏡を自分と犬に向け、自撮りモードで配信を始めました。泥だらけの犬を慈しむ私の姿は、鏡の中では「本物の聖女」として大絶賛!
『リリアーナ様、優しすぎる……』
『シャーリー、汚い犬を見て顔が引きつってるぞw どっちが聖女だよ』
シャーリーさんは、私を不潔な女に見せるはずが、自分の「犬を汚いものを見るような冷酷な目」がバッチリ中継されてしまい、絶望的な顔で立ち尽くすのでした。