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ドリーム視点




空に泣いている所を見られた。














ドリーム「…………」

空「…………」

無言の時間、数十秒程の時間が何分、何時間にも感じられた。

今日も嫌な夢を見たんだ。兄弟が林檎に手をかけて、食べて、それで黒くなっちゃった夢。

もう過ぎた事なのに。どうしようもなく悔しくて、悲しくて、何であの時兄弟の側にいなかったんだろうって。

そうして夢の最後には黒くなった兄弟が「どうして助けなかった?お前のせいだぞ。」って言う。いつもそこで目が覚めるんだ。

気づけば涙が溢れ出てて、家にいたら誰か来ちゃうかもだから。誰にも分からない所で泣いてるんだ。


DREAMTAELの、感情の木の近くにあった森。今もまだ残ってて、人なんて絶対来ないから、そう思ってたのに。

多分、僕の悲しい感情を辿って来たんだよね。君も最近感情を感じるようになったから。


ドリーム「えっと…これは…」

空「無理に話さなくて良いよ」

すると空はゆっくりとこちらに近づいてきて、上着を僕に被せた。

空「落ち着いたらで良いから。それまで僕は待つよ。」

そう言って僕の背中に回り込んで、背を向けて座り込んだ。













彼は背を向けたまま何も言わない。何かをする訳でもない。ただ、黙ってそこに座っていた。かと言って僕から話す勇気も無かった。

何で君はこうも優しくできるの?どうして無理矢理聞かないの?

空「……昔はさ。」

疑問を受け取ったように、彼が話し始めた。

空「昔は僕もよく泣いてた。誰もいない部屋で1人ずっとね。でも、真っ先にりゅうにぃが気づいて、こんな風に上着をかけて、僕が話すまでずっと黙って待っててくれてたんだ。

最初の頃はちょっと変だなって思ってた。でも段々りゅうにぃの気持ちに気付いていったんだ。

無理に聞くより、相手が言うまで待つ方が、相手側はずっと楽だってりゅうにぃは分かってたんだ。

それで僕も思ったんだ。りゅうにぃみたいに誰かの助けになりたいってさ。まぁ、簡単になれるものじゃないけど。」

ハハっと彼が笑った。

あぁ、なんて心が広い人なんだろうと思った。

空、君はもうお兄さんみたいになってるよ。

この人になら、話して良いと、心底思った。









空視点


ドリームが泣いているのは初めてみた。泣くような性格でもなく、ただただとても前向きな人だってずっと思ってた。

でもそんな事は無かった。彼はただ肉体年齢は500歳以上だけど、心はまだまだ純粋な子供なんだと、心底思い知らされた。

過去の経験から思った訳もなく、気づいたらドリームの背中に回って座り込んでたんだ。

きっと、過去の自分と重なって見えたんだろうね。


そしてまた、気づいたら過去の事をポツリポツリと話し始めてた。沈黙が気まずかった訳でもない。同情でもない。こうしたら、少しは彼も話やすくなるだろう、そう思っての行動だった。


数十秒の間を置いて、ドリームは小さく息を吸って、口を開きながらすぐにそれを吐き出した。言葉にしたくても上手くいかない、といった感じだ。

は、という息にもならない吐息を漏らし、また息を吸って、それを繰り返した。何度目の呼吸かな、ドリームは息を吸いながら僕の服の裾を掴んだ。ギュッと強く握り締めて、小さい声だが話し始めた。


ドリーム「……よくね、兄弟の夢を見るんだ。今日もそう。兄弟が林檎に手をかけて、食べて黒くなる…何度も何度も同じ夢。でも、何回見てもやっぱり慣れなくて、起きたら泣いちゃうんだ。

…誰にも見られたくなかったから、いつもここで泣いてるんだ。…まさか君が来るなんて思いもしなかったんだ。

…こう言ったらダメかもしれないけど、君にだけは、来てほしくなかったんだ。心配かけたくなかったから。」

最後は無理矢理絞ったような声だった。彼はどこまでも他人を自分の事のように考えている。

気の利く言葉をかけるより、今思った事を口に出す事にした。


空「…凄いね、君は」

ドリーム「え…?」

空「もしかしたら酷い事言ってるように聞こえてるかもしれない。けど本当にそう思ったんだ。誰よりも頑張って、がむしゃらに前を向いて…諦めないって事は、何よりも凄いんだよ。

でもね、頑張りすぎると心はどんどん疲れちゃうんだ。幸せを感じにくくなっていく。誰かがその事に気づいて、癒さないといつしかポッキリと折れて最後は崩れちゃう…そうならないように、友達とか、そういう人が身近にいている相談相手がいるんじゃないの?」

僕はゆっくり彼の前に座って、抱きしめてあげた。そして、翼で包んで暗い空間ができた。


空「もっと僕を、僕達を頼ってよ、ドリーム。君は1人じゃないから、君が背追い込んでる荷物を僕達にも預ける事ができるんだ。

僕は君を支えたいんだ。君がいつもそうしてきたようにさ、ダメかな?」

ドリームは僕にされるがままになってた。でも、今度は彼のしたいようにしていいし、どのように答えてくれても構わない。

ただ、彼の解答を聞きたかった。

発言してから10秒経たずに彼が抱きしめ返してきた。

ドリーム「……ッ、たす、けて……!もうこんなのやだよ……!空……!」

それを聞いて、心の底から安堵した。

泣くほど苦しんでるのに、その夢を見続けて、心が疲れていって、助けを拒むくらいになっていたら…もう手遅れだったかもしれない。

間に合って良かった。

少し落ち着いたはずだったドリームは、また激しく泣き出してしまった。背中をぽん、ぽんと優しく叩いた。

大丈夫、大丈夫…と、それを繰り返した。














落ち着いたドリームは、僕の体に身を預けて

ドリーム「…我儘言っても良い?」

空「ん?なぁに?」

ドリーム「…今日はずっと一緒が良い…ダメ?」

空「良いよ、今日は暇だったから。この後クレープでも食べにいこっか。」

ドリーム「…うん」

その日からというもの、ドリームはよく甘えてくるようになった。










そして、悪夢を見る回数も少なくなった。

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