side 目黒
「めめ」
俺の車を見つけた想い人が小走りに駆けてきて助手席に乗り込む
「おつかれさま、しょっぴー」
「わざわざ、ありがとな」
「気にしないで」
先に仕事が終わった俺は車でしょっぴーを迎えにきていた
今日は約束していたプラネタリウムの日、その後の夕ご飯の下拵えも済ましてある
「ごめんな、少し押した。時間、大丈夫?」
「余裕持たせてたから大丈夫」
「よかった、ありがと」
「うん、出すね」
「お願いします」
俺が運転に集中したいと知っているしょっぴーは、黙って窓の外を眺めている
綺麗な横顔を目に焼き付けて、前を向いて車を発進させる
今日行くところはMVの撮影でも使った2人で寝転がれるソファのような席があるところだ
「MVのデートのやつじゃん」
「同じ場所ではないんだけどね、結構寝心地よくてさ。ほら、しょっぴー、こっちおいで」
「えー、カップルみたいでちょっと照れない?」
「そんなことないよ、意外と広いからさ、男同士でも余裕だよ。だから、ね?」
「わかったよ、お邪魔します」
ちょっと渋ったしょっぴーを無理矢理納得させて隣に誘う
「お、ほんとだ。意外と快適だな」
「そうでしょ、見た目より広々してるの」
「これはいいな。…寝そう」
「寝ないでよ?!」
「わかってるよ、、多分」
「不安だなぁ、もう。俺はしょっぴーが寝てないかどうかを見てようかな」
「なんでだよ笑 星見ろよ笑」
そんな風にふざけあっているうちに上映が始まった
しょっぴーは案外、ちゃんと真面目に見てて、その瞳に星々の煌めきが映り込むのが本当にキレイで、俺はチラチラと横目で見ずにはいられなかった
「すごかった〜、圧倒された」
「そうでしょう?」
「うん、また見に来たい」
「いつでもお供するよ」
「ん、ありがと」
「じゃあ帰ろうか」
「はぁ〜、頭がまだふわふわしてる」
そういうしょっぴーの肩をそっと抱きながら駐車場へと向かう
振り解かれないことに少し勇気を貰う
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