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次の日、芥川が吐血した。初日僕が病室を訪れた時以来、咳はしていたが、吐血まではしていたなかったのに。さらに、前回よりも量が多かった。森鴎外からはそろそろ覚悟した方がよい都云われた。僕が芥川の病室に戻ると芥川は寝ていた。その顔は前よりも青白く、死んでしまっているのではないかと疑う程だった。僕が
「芥川、」
と声を掛けると、
「大丈夫だよ。敦くん。」
と芥川ではないが、聞いたことのある声がした。後ろを振り返ると太宰さんと、その隣にポートマフィアの五大幹部の1人、中也さんが立っていた。何故2人が一緒にいるのか判らなかったが、中也さんからの圧を感じたので僕は小さい声で
「あ、どうも…………」
と云うと、呆れた顔で
「取って食わねえから安心しろ……」
と云われた。騒ぎ声で起きたのだろうか。いつの間にか芥川が上半身を起こしていた。そして、
「太宰さん。」
と呟く。太宰さんは
「嗚呼……そう云えば芥川くんと二人で話しがしたかったんだ。一寸二人とも席を外してくれないかな?」
と、僕達に尋ねた。
「あ、判りました。では外にいます。」
僕はそう云って扉を開け、外に出た。中也さんも着いてくる気配があった。
二人で外に出たはいいものの、何を話せばよいか判らず気まずい空気が流れる。その沈黙に耐えかねたのか、中也さんが僕に声をかけた。
「なあ人虎。」
「………なんでしょうか……?」
「お前は、芥川が死ぬ事について如何思う?」
「………僕は…怖いです。彼奴がいなくなって生きていけるのかどうか。最初の出会いは最悪だったけれど、新双黒としてずっと一緒に戦ってきたから……」
「………そうか。」
沈黙。
「あ、あの……中也さんは如何なんですか?大切な人が亡くなってしまったら。……例えば、、、、、太宰さんとか…?」
「はぁ!?なんで彼奴なんだよ」
「え、否中也さんが太宰さんを見る時の目がなんか優しいしよくチラ見しているので………」
「……………彼奴は如何でもいいが、矢っ張り俺も生きていけるか不安ではあるな。よく喧嘩しちまうが矢っ張大切だからな。」
「………矢っ張りそうなんですね…」
矢張り皆大切な人を失うのは怖いんだな…と僕が思った瞬間、
「ふーん?中也は私の事如何でもいいんだー?あと、中也私以外に大切な人がいるんだ〜?へぇー?」
吃驚して後ろを振り向くと扉に寄りかかってたつ太宰さんとその奥に耳まで真っ赤にした芥川が上半身を起こして此方をチラ見していた。
「う、う、煩ェ!!!!俺は帰る!帰るからな!!ついて来んじゃねェ!!!!!!絶対着いてくんなよ!!」
芥川と競えるぐらいに耳を真っ赤にして怒る中也さんはドスドスと音をたてながら出口へ向かい、其のまま帰っていった。
「私も帰ろうかな…?」
太宰さんがそう呟いた。