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ーー『限界遭難。』
「……全員いる?」
砂浜に並ぶ六人を見て、ぐちつぼが確認する。
「いる」
かねごん。
「いるよ」
んそめ。
「いる!」
たらこ。
「いるいる」
げんぴょん。
「…いる」
焼きパン。
ぐちつぼは深く息を吐いた。
「よし。リーダーの俺が指示するわ」
「なんで?」
たらこが即答した。
「 なんでって……遭難したからだよ」
「じゃあリーダーっぽいことして」
「今からするよ!」
ぐちつぼは砂浜に枝で大きく文字を書く。
『SOS』
「まずはこれで救助を待つ」
「完璧じゃん」
かねごんが頷く。
「じゃあ次、食料探そう」
げんぴょんが立ち上がった。
「待て」
ぐちつぼが止める。
「単独行動は危ない。二人一組で行くぞ」
「じゃあ俺、焼きパンと行く」
たらこが手を挙げる。
「なんで?」
「焼きパンが食べ物見つけそうだから」
「俺を何だと思ってる?」
焼きパンが真顔で聞く。
「天然の食料探知機」
「褒めてる?」
「たぶん」
「たぶんかよ」
んそめが呆れながら立ち上がる。
「じゃあ俺とげんぴょんで水探してくる」
「俺は?」
かねごんが聞く。
ぐちつぼは少し考えた。
「俺と一緒に拠点作り」
「了解」
「リーダーらしく頑張ろうぜ」
「おう」
二人で頷く。
その直後。
「 ぐっちー」
焼きパンが手を挙げた。
「何?」
「ここ、無人島だよね?」
「たぶん」
「じゃあ、帰る方法ってあるの?」
「それを今から考えるんだよ!」
「あぁ…」
焼きパンは納得した。
498
104
めりりんちよ
381
まるまろ
5
「じゃあ頑張って」
「お前もだよ!!」
一時間後。
全員が砂浜に戻ってきた。
食料、なし。
水、なし。
拠点、なし。
成果――なし。
「……」
ぐちつぼは海を見つめる。
「リーダーとして言います」
全員が注目する。
「今日はもう、寝よう」
「諦めた!?」
かねごんが叫んだ。
「いや違う。明日から本気出す」
「遭難初日でそれ言う!?」
たらこが笑う。
「でも腹減ったな」
げんぴょんが呟く。
すると焼きパンが何かを取り出した。
「これ食べる?」
「何それ?」
「ポケットに入ってた」
全員が覗き込む。
それは――
小さなチョコレートだった。
「……」
「……」
「……」
ぐちつぼが震える声で言う。
「お前……」
「うん?」
「それ、いつから持ってた?」
「島に着いたときから」
「最初に言えよ!!」
「聞かれなかったから」
「 聞いとけばよかった……!」
ぐちつぼは砂浜に膝をついた。
こうして、限界メンバーの無人島生活一日目は――
チョコレート一個を六等分するところから始まった。
コメント
1件
あらためて読んだよ〜!『限界遭難』第4話、ワイワイしてて面白かった😆💕 焼きパンがポケットからチョコ出したシーン、マジで爆笑したwww「最初に言えよ!!」ってぐちつぼの叫びにめっちゃ共感😂🍫 遭難してるのにこのゆるい空気…クセになるわ〜。チョコを六等分するところから始まった無人島生活、これからどうなるのか気になる!次の話も楽しみにしてるね⋆♡