あんなことをほざいておいて大分期間が空いてしまいましたね
ごめんなさいね
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーキリトリーーーーーーーーーーーーーーーーーー
[視点:Japan]
…そろそろ、でしょうか…。
時計の針は卯の刻を指す。
起きてくるとしたら、一番自然な時間帯…勿論、今起きたわけではないけれど。
一息着いてから、ドアにかませていた椅子を動かした。
きぃ、と、蝶番の音がする。
誰かが先にドアを開けたようだった。
私も、とドアノブに手を掛ける。
ドアを開けて、もし目の前に誰かがいたら…
あぁ、そんな恐ろしいことを考えても仕方ありませんか。
きっと、皆さん同じ思いをしていらっしゃるのだから…
少し間を空け、意を決して廊下に出た。
丁度同じタイミングで、3人。
イタリアくんと、フランスさんと、ロシアさん。
その奥、リビングルームに繋がる方には、中国さんとドイツさん、アメリカさん。
やはり、私達より少し前にに出てきたようだった。
「ほら言ったある。
大体皆、頃合いを見計らって同時に出てきたある。」
後ろにいる私達を一瞥してから、中国さんはアメリカさんにそう告げた。
「Wow!まさか君の予想が当た…」
「ねぇ、イギリスくんは?」
アメリカさんの言葉に被せるようにして、ロシアさんが問いかけた。
「あぁ、イギリスは…」
「外に出たんだぞ!!俺らと同じ頃に起きてきて、その後すぐ裏庭に行くなんて不用心にもほどあるよね!DDD!!」
仕返しと言わんばかりに、アメリカさんはドイツさんの言葉に遮って答えた。
ドイツさんが可哀想で仕方ないのだけれど、こればかりは仕方ないとしか言えない。
そのとき、ちりん。と、裏庭のドアにつけられた鈴がなった。
イギリスさんが帰ってきたのだ。
「わりぃ、もう全員起きてるか?
ここの庭、奇妙なくらいシンメトリーになってんだな。
この扉を軸にしたら、鏡みたいになる。
さらに気色悪いことに、どれだけ歩いてもそれが続いてんだよ。
まぁ、端的に言うが、ここからは出られないってことだ。 」
朝早くから敷地内を散策していたようだ。
「…一人で外に出るなんて、なんだかイギリスくん、怪しくない?」
全員がなんとなく抑えていた疑問を口にしたのはまごうことなき、ロシアさん。
殺伐とした雰囲気が、一気に屋敷の中に充満する。
「…とりあえず皆、一旦落ち着こう?『腹が減っては戦ができぬ』だっけ。
ほら、朝ごはん食べようよ。 」
気づけばイタリアくんとフランスさんがトーストとコーヒーを食卓に並べていた。
「…毒とかなんとか、お兄さん達が仕込んでると思う?料理にそんなことするなんて、美食国家の名折れでしょ。それに、もし毒が入ってたならその場でお兄さん達を殺してどうぞ。」
その言葉は2人以外の安心材料となった。
最終的に全員が食卓につき、それぞれのペースで朝食を食べ始めた。
朝食が終わり、皿洗いを済ませてすぐ、また嫌な雰囲気が満ちてきた。
このままではゲームは終わらない。
私達の国が、どうなっているのか分からないけれど、でも、ここから出なければいけないことは確か。
そんな中で、アメリカさんが自由行動を提案したのは至極当然だった。
先ずは何か使える武器を探そうとして、客室と向かいにある部屋の1つに向かった。
そこには先客…中国さんがいた。
「…ゲームが終わらなければ元も子もありません。
手を、組みませんか」
「…!裏切ったら、承知しないあるよ。」
互いの安全を確保するため、そうなるのは自然な流れ。
必要なのは、共通の敵。
「…まずは1人。どなたが良いのでしょうか… 」
「…まぁ、意大利が妥当あるね。
どうにかこっちにおびき寄せて、我の糸で捉える。そこを日本があの陶器で殴れば良いだけある。」
「では、私がイタリアくんをこちらに連れてきます。」
中国さんが練り上げた作戦の構成的に、そうするしかなかったのは事実。
でも…
…こちらには、もう1つの作戦がありますからね。
庭で縮こまっていたイタリアくんを連れて、先ほどの部屋へ向かった。
そこには中国さんが待ち構えていて、予定どおり蜘蛛の巣を張り、イタリアくんを拘束する。
が、そのイタリアくんはまるでもぬけの殻だった。
彼の能力、身代わりを使ったのだろう。
「ま、そう上手くは行かないあ…」
言葉は途切れ、中国さんは床に倒れた。
「申し訳ありません。でも…仕方ないのです。中国さん。 」
私の手には、真っ赤に濡れた陶器。
それを元の場所に戻し、静かに部屋を出て、ドアを閉めた。
何か聞こえた気もするが、死人に口なし。
あとは、イタリアくんをどうにかしましょうか。
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