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yan side
俺、ナイフで、刺されたのか。
さすがに死ぬことはないはずだ。
…ないよな?
皆にホントの俺を伝えられずに死ぬのは嫌だ。俺のホントの気持ち、自分から話せていない。だから、だから…!
ドクンッ!ドクンッ!
!?なんだ?!
嘘だろ…体が溶けてる!嫌だ!俺、どうなるんだ?死、死にたくない!
あ、ぁぁ。止まってくれ。頼む!!!
しかし、運よく行くような人生ではない暗闇の中、彼の身体は溶けて消えていった。
俺は幸せでも、不幸でもない人生だった。小学、中学、嫌にはならない日々を送っていた。ほんとに
起きて、朝食のシリアルを食べる。そして、緩やかな下り坂をただただ歩いて、普通に教室に入り、普通に友達と話して、普通に勉強する。そしてまた緩やかな坂を登っては家につき、やることをしては普通に眠る。
どこにでも転がっているような日々のシナリオだった。決して主人公ではない。そんな俺が心に残る…といえばゲームだろう。友達の家でゲームをした時、何度やっても俺が勝った。お前、スゲー。なんて言われた。その時俺は思ったんだと思う。初めて、ただの引き立て役のМОBじゃなくなった。「俺」になったんだって。2度目のその衝撃はkrptだ。「krptのyan」を担ったんだって思った。だから俺は◯◯を誘ったんだ。元krptアンチのあいつを…。俺の善意で。俺みたいに存在意義を求めていたあいつの居場所をあげるために。
?yan¿「違うだろう。ただ新しい存在意 義が欲しかったから、あいつをうまいように陥れて仲間にしたんだろう?。
今までの平凡な暮らしをしたかったならアンチがでてくるであろう◯ouTubeになんてならなかったはずだ。
その存在意義を守るため、部屋を新しくしたい!とか新しい自分を晒して新しい存在意義を手に入れようとしている。まさか、自分にまで嘘を入れ込むとはな、それとも暗示か?醜いな。きっと仲間もそう思っているさ。」
嘘だッ!噓だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!
皆はッ俺はッそんな…そんな奴じゃない!
…
そんな奴じゃ、ないよな?
あぁ、違うはずだ!俺はこんな他人の言葉で、仲間への信頼を揺るがされるような人間じゃない!
こんなの…俺じゃない!
それとも真の俺はこんなやつなのか?
そうか、俺は…
<君は藍に浮かんだアルビレオ探したいもの見つからないまま夜に溶けてく涙を掴んで胸に胸に刻んだまま君はずっと一人で彷徨うの?いつになっても一人でいたいの?ねぇ、ずっとずっと待ってるよあの言葉過去も今も未来もずっと君は藍に浮かんだアルビレオ夜に溶けてく君の心はどんな星よりずっと綺麗ででもずっと孤独で居た。>
これは…urのオリジナル曲だっけ?俺の一番好きな歌。心に浸ってくれる歌。
でも、その感情もホントの俺は感じていなかった。ごめんな、ur。
・
・
・
パチッ
na「!皆さん、yan君が目覚めましたよ!」
ドタドタ
jpp「yan君!よかった、よかった…」
sive「yan君?」
「…」
俺はホントはコイツラを利用していた。今さら、仲良くする義理なんてない。
mf「yan君?」
dnq「?」
逃げるか…
バッ!!!
et「yan君?!」
nоkr「まだ傷が!」
たっタッタッタッ
…
俺は、アイツラのこと別に好きなんかじゃないんだ。俺が言っていたんだから、別に辛くもない今までどおりМОBとしてヒトリで生きていくんだ。別に好きなんかじゃない…好きなんかじゃ…
なのに何で…
yan「ヒッグウゥ…ヒックヒック…グスッ」
何で泣いているんだ俺は。
馬鹿だな。俺、自分さえも見つけられなかったなんて…
手のひらを握りしめた。
ふとrnの言葉が蘇る。
「辛いときはグー、一人になりたい時はチョキ一人で、 いたくない時はパーにしましょう!」
「つらいよ俺、」
今さら手を握りしめたって何も起きないはずなのに…
yan「ハハッ…惨めだな。俺。」
気づけば空は雲で覆われ、大粒の雨が降りしきっていた。雨は俺の心を引き裂いていった。