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※なんでもありなので気をつけてください
※地雷さんばいばい
※伽羅崩壊有り
『 解放 』
pn 「 …… っ 、 」
俺は黙り込んでしまった 、 らっだぁの膝の上で、何度も唇を噛み、震える指で裾を握りしめていた 。
___ ごめん ッ …
心の中でだけ、 らっだぁに別れを告げる 。
rd 「 …… ぺいんと ? 何してんの … ? 」
らっだぁの声は、静かに震えていた 。
立ち上がった俺は、顔を伏せたまま。
玄関に向かって歩く。
後ろから伸ばされた手が裾を掴んだ 。
rd 「 やだ … 、 行かないで ? お前がいないと 俺 … ほんとに 、 死ぬよ ?? … 」
pn 「 ……… 」
俺はゆっくりその手を振り払った 、
けれど __ 強くはできなかった 。
pn 「 …… バイバイ 、 らっだぁ … 」
rd 「 嘘だ 、 」
「 嘘だろ 、 嘘って言え …… ! 」
叫ぶ声を背に、 俺は扉を開けた 。
光が差し込む 、
そこには手を差し伸べて待っていたぐちつぼがいた。
gt 「 …… よく頑張ったな、 ぺいんと 」
pn 「 …… ッ 」
一瞬、体が震える 。
らっだぁの部屋の、ぬるくて、甘くて、狂った空気が、 身体にこびりついていた 。
そう自分に言い聞かせるようにして、ぐちつぼの手に触れた 。
・ ・ ・
( らっだぁ視点 )
静かな部屋 、
ぺいんとの体温が残った空気を、俺はかき抱くようにして、
何度も、何度も、同じ言葉を呟いていた。
「 ……ぺいんと が いないと 、俺 生きてる意味ないのに 」
「 なんで …… ? 俺、 あんなに、 お前のこと愛してたのに …… 」
「 戻ってくるよな …… ? 」
「 ねぇ、 ぺいんと …… ぺいんと …… 」
涙を零し、床に蹲る彼の目は、
それでも 笑っていた 。
でも、笑っているようにしか見えないほど、 壊れていた 。
・ ・ ・
( ぐちつぼの部屋 )
「 …… ただいま 。 」
俺は今ぐちつぼの部屋に泊めてもらっている。実家に帰るって言ったけど、 ぐちつぼが うちに来なよ 。 って誘ってくれた。数日間お世話になる予定だ 、
玄関をくぐると 、 ベッドの上で読書していたぐちつぼが顔をあげ、優しく笑った 。
gt 「 おかえり 。 外暑かったろ ? 冷たいのあるぜ 」
pn 「 ……… ありがと 」
笑顔は、優しい。
空気は、穏やか。
ぬくもりも、嘘じゃない 。
けど ___ 。
pn 「 …… あそこにいた時より、 身体が軽い。 けど __ …… なんか 、息が浅いんだよな 、 」
ぽつりと呟いた。
pn 「 …… らっだぁのとこにいた時、重かった。 苦しかった 。 ……でも すげぇ、深く呼吸してた 。 息、 してるって感じだった 。 」
gt 「 …… それは 依存 ってやつだよ 。 」
pn 「 わかってるよ、 でも治ってねぇんだと思う 。」
ぐちつぼは黙って、俺の肩に毛布をかけた。その手は優しすぎて、 俺は思わず目を逸らした 。
pn 「 なあ 、 ぐちつぼ 」
gt 「 ん ? 」
pn 「 俺、 まだらっだぁの夢見んだ 」
gt 「 …… 」
pn 「 笑ってた 。 でも、 その目が全然笑ってなかった 。 」
少し 涙目になりながら、 述べた 。
・ ・ ・
( らっだぁ視点 )
誰もいない部屋 。
壁には赤い文字が、いくつも殴り書きされていた。
「 ぺいんとがいないと死ぬ 」
「 ぺいんとはおれのもの 」
「 ぺいんとは俺の心臓 」
「 ぺいんと 、 ぺいんと 、 ぺいんと …… 」
俺は薄い笑いを浮かべながら、その一つ一つを指でなぞっていた 。
「 なぁ、 戻ってきてくれるよね …… ? 」
「 お前は、 優しすぎるから 、また誰かに壊されるよ 」
「 ……俺じゃないと、 お前の心守れないのに 」
机の上には、ぺいんとのSNSの裏垢 。
鍵付きの、本人しか知らないはずの記録が開かれていた。
そこには 、
たすけて
誰か来て
俺、きっと狂ってる …
___ そんな言葉が、日付の古い順に並んでいた 。
「 …… 全部 、 読んでたんだよ 」
「 お前が壊れてくの、俺だけが知ってたんだ。 」
「 俺だけが …… お前の全部を、知ってんだ、 」
笑うように泣くように、
俺はスマホをそっと伏せた 。
『 もう一度 、 正しい形に戻さなくちゃ 』
⋯ お前が笑える場所 …… 作ってあげる 。
。