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婚約は私にとって良い事ではあったが戸惑うことも多かった
美鈴と父からは以前よりも人格を尊重され、大人と同じような扱いをされ意見を求められた。「みにくいアヒルの子」に巡って来た勝利だったが、私は人から羨しがられることには馴れて いなかった。
だから思いがけず徹と婚約することで、求めて得た訳でない周囲の賛同には戸惑った。やろうとさえしなかった事のために褒められているような、何となく落ち着かない気持だった・・・
近所の勇敢マダムは皮肉をこめて私に言った。情熱的に愛し合った結婚ほど長続きはしなくて、最初はしっくり行かなかった結婚ほどスムーズ な経路を辿ると・・・・
私は徹との結婚に次第に夢を持ち始めた
しかし意外な事にこの結婚に父が反対しだした、父は徹が私にプロポーズをした話を聞いてすぐ様徹を調べ出した、そして私の所帯主としてふさわしくないと言うのだ。父親が娘の婿として望ましく思うような人物ではない、彼はまだ一人前でなく、妻を養う能力が無いというのである。
「あの男はお前を幸せに出来る人間ではない」
と父は言った
「でも、この家でパパや今のお母さんと一緒に暮すよりは幸せよ!」
と私は皮肉を込めて言った
「いいかい」
と父は低い声で言った
「結婚とはどういうものか、お前にはまだわかっていない、不幸な結婚がどんなにみじめなものか、おまえは知らないんだ」
私は頑固に、この結婚が不幸になると決めつける理由が分からないと言い張った