不思議に父に反対されればされるほど、私の心はすっかり徹の方に向いていた。徹が結婚したいと思ってくれた事も私にとっては嬉しく、素晴らしい事だった。なので父の不当な反対は私の決心を固めさせただけだった。その反対がなかったら私の勇気は鈍り、逃げ出してしまったかもしれない。
父は言った「お前がもう少し年を取って幸福な結婚をしたら、きっとパパに感謝するだろう。確かに片山徹は魅力があるしハンサムだ、それを否定してる訳じゃないよ、しかし、夫として、それだけでは充分ではないんだよ。 家族を養っていくだけの力がなくてはだめだ。わかるだろう?」
「でも片山さんは弁護士の才能を持っているわ」
私は熱っぽく言った
「あの男は30歳だ、もう可能性を云々する年齢ではない。 そろそろ結果を出さなくてはならん時期だよ」
「パパは自分が徹さんを気に入らないから私を嫁がせたくないのよ」
私は奇妙な勝利感と供に言った、すると父は押し黙った
この発見は私を粗野な喜びで満たした、私をあの人と結婚させたくないと父は思ってる。父は徹さんが嫌いだ、私が彼と結婚すれば父は悲しむわ・・・・
ほんのつい昔・・・・父は私が悲しむのを無視して美鈴と再婚した
「目には目を」 「可愛さ余って憎さ100倍!」 だ!
これまで父は私が嫌がるのを無視して美鈴と再婚し、さんざん私を苦しめてきた。今度は私が父を苦しめる番だ
「パパはあの男を好きとか嫌いとか言う感情で反対してるんじゃないんだ、パパが結婚するわけじゃあないからね」
と父はイライラした様に言った
「わたしは自分の娘が甲斐性無しの男の元で、貧しい暮らしをさられせないように考えているんだ」
「パパは私に結婚の相手を見つけろと言っておきながら、 いざ見つかったとなると文句をつけるのね」
と私は拗ねて行った
「いいかい、お前が本当にあの男を愛してるなら今、結婚する事はあの男の為にならないと言うことを考えなくちゃいけないと言ってるんだ」
と父は狡猾な言い方をした
「本当に弁護士として自分の歴史がスタートしようとしている時に、養わねばならない家族があると言う事は大変なハンディになるんだ、財産のある娘と結婚して楽をしようとしてるなら別だがね」
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