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#あべさく
めかぶぷりん
8,213
29
雪月❄️
357
82
🧡「あかん、頭がぐるぐるする……」
自宅のベッドの中で、向井康二は重い布団にくるまりながら、熱い吐息を漏らしていた。
普段ならカメラをいじったり、料理をしたりと忙しなく動いているはずの部屋が、今はやけに静かだ。
脇に挟んでいた体温計がピピピと鳴り、表示された数字は
『38.7度』
(完全に風邪やなぁ……。めめに、連絡しよかな……)
寂しがり屋の康二は、心細さに耐えかねてスマホを手に取った。いつもなら「迷惑かな」と少し遠慮してしまうところだが、高熱のせいで頭がボーッとしており、ただただ大好きな恋人に甘えたかった。
【康二 めめ、風邪ひいちゃった……熱が高くて、さびしい。もしお仕事終わったら、ちょっとだけ声聞かせて…?】
素直に送ったSOS。すると、1分もしないうちに
【目黒 今ちょうど仕事終わった。すぐ行くから大人しく寝てて。鍵開けといてね】
と男前すぎる返信が返ってきた。
それからわずか十数分後。ガチャリと静かに玄関の鍵が開き、少し息を切らせた目黒蓮が寝室に飛び込んできた。
🖤「康二……! 大丈夫!?」
🧡「めめぇ……っ。きてくれたん……?」
布団から細い腕を伸ばして、すぐに目黒の大きな手をぎゅっと掴んだ。熱のせいで、康二の白い肌は耳の後ろまで真っ赤に火照っている。
目黒はベッドの脇に腰掛けると、少しひんやりとした自分の大きな手のひらで、康二の熱い額をそっと覆った。
🖤「すごい熱。顔、真っ赤じゃん。辛かったね、すぐ来られなくてごめん」
🧡「ううん、めめの手、冷たくて気持ちええわぁ……」
康二はとろんとした潤んだ瞳で目黒をじっと見つめ、嬉しそうにその手のひらに頬をすり寄せた。
いつも以上に素直で、熱のせいで色っぽく火照っている康二の姿は、目黒の理性を激しく揺さぶる。
🖤「ポカリと冷えピタ買ってきたから。少しお水飲んで、冷えピタ貼ったら大人しく寝ようね?」
🧡「うん……めめ、どこも行かんといてな?」
🖤「行かないよ。ずっとここにいるから」
目黒が優しく頭を撫でてやると、康二は安心したようにふにゃりと微笑んだ。そして、限界だった体力が尽きたように、目黒の手を握りしめたまま、すうすうと規則正しい寝息を立てて深い眠りへと落ちて行っていった。
静まり返った寝室に、康二の小さな寝息だけが響く。
目黒は、握られた手をそっと引き抜くと、シーツの上に投げ出された康二の寝顔をじっと見つめた。
熱のせいで少し荒い呼吸を繰り返す、小刻みに震える薄い唇。赤く染まった頬と、潤んだ睫毛の残像。
(……あんな顔で甘えられたら、我慢できるわけないじゃん……)
起きている間は看病のために必死に抑え込んでいた独占欲と熱い衝動が、康二が眠った瞬間に一気に溢れ出した。
ベッドに深く身を乗り出した。
眠っている康二を起こさないよう、壊れ物を扱うくらい慎重に、けれど深く、その熱い唇を自分の唇で塞ぎにいった。
🧡「……ん、……っ」
重なった唇から、康二の熱い吐息が目黒の口内へと流れ込んでくる。うつり香のような濃密なキス。目黒は康二の柔らかな唇の感触を確かめるように、何度も優しく、けれど離れがたく角度を変えて、深く深いキスを交わした。
康二が夢の中で小さく身じろぎをし、鼻を鳴らして甘い声を漏らす。
我慢できずに長く深いキスを奪った後、目黒は名残惜しそうにゆっくりと唇を離した。
二人の間には、一瞬だけ細い銀の糸が引いて消えた。
康二の顔は、キスの熱も加わってさらに赤くなっている。
目黒はその愛おしすぎる姿を、底深く熱い瞳で見つめながら、今度はそっとおでこに、そして優しく撫でるように髪の生え際にキスを落とした。
布団を胸元まで丁寧にかけ直し、耳元に顔を寄せると、誰も聞いていない部屋で、優しく、そして少しだけ意地悪に囁いた。
🖤「おやすみ、俺のお姫様」
目黒はふっと満足げに微笑むと、康二の手を再び優しく握り直し、恋人が完全に回復するまで、その隣を片時も離れずに守り続けるのだった。
コメント
1件
第49話、読んだわー!もうめちゃくちゃ甘かった…!康二の寂しがり屋で素直になってる感じと、目黒の看病しながらも理性飛びかけちゃう感じのギャップがたまらん🔥「お姫様」呼びは反則級に尊い。熱でうつらうつらしてる康二にあんなキスされたら、そりゃ目黒も我慢できんわなあ。2人の距離感と愛情がひしひし伝わってきて、胸がぎゅーってなった💛 めかぶぷりんさん、素敵なエピソードありがとう!