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「……位置情報、まだ追えてます」
リエーレが端末を操作する。
画面には、カポとラクティーの現在地。
「順調ですね」
ソルが少し安心した声を出す。
「……いや」
リエーレの指が止まる。
「妙だ」
「え?」
その瞬間——
ピッ。
画面が一瞬ノイズを走らせる。
「……?」
ピッ、ピッ——
ブツッ。
「……切れました」
沈黙。
「は?」
ソルの声が裏返る。
「どういうことですか」
「GPSが途切れた」
リエーレの声が低くなる。
「妨害された可能性が高い」
「妨害……?」
「外部からの干渉だ」
マフィオソが口を開く。
ゆっくりと立ち上がる。
「……ハッカーか」
その一言。
リエーレが即座に反応する。
「心当たりがある」
「誰だ」
「“セブン”」
空気が一段、冷える。
「チャンス側の人間か」
「断定はできませんが」
指が端末を叩く。
「この精度で回線を潰せるのは限られる」
「……なるほどな」
マフィオソは静かに頷く。
「つまり——」
「カポたちは“見えない場所”に誘導された」
ソルの顔が青ざめる。
「そんな……」
「落ち着け」
低い一言。
それだけで、ソルの動きが止まる。
「……どうしますか」
リエーレが問う。
マフィオソは数秒考え——
「リエーレ」
「はい」
「ソルと行け」
「了解」
「現場の確認と回収を優先しろ」
「承知しました」
「ぼ、僕も……!」
ソルが慌てて立ち上がる。
「無理はするな」
短く言うマフィオソ。
#chance
22
#生成AI
「……はい」
強く頷く。
リエーレは既にコートを羽織っている。
「ボスは」
「残る」
即答。
「……」
「ここを空けるわけにはいかん」
ジョーカーに触れる。
「相手は“見ている”」
その一言で、
リエーレは全てを理解する。
「……了解しました」
一礼。
「行くぞ、ソル」
「はい!」
二人が駆け出す。
ドアが開き——
バタン。
閉まる。
屋敷・静寂
一人、残される。
マフィオソ。
静かすぎる空間。
さっきまでの喧騒が嘘みたいに消えている。
「……」
テーブルの上には、
食べかけのピザ。
冷めかけている。
「……セブン、か」
小さく呟く。
指でジョーカーを弾く。
「見ているのなら——」
ゆっくりと椅子に座る。
「見せてやる」
低く、鋭い声。
「こちらも、ただでは動かん」
その時——
部屋の明かりが、一瞬だけちらつく。
ピッ。
「……」
モニターが勝手に起動する。
ノイズ。
ザザッ……
画面に、文字が浮かぶ。
【接続完了】
「……来たか」
マフィオソは動かない。
そのまま画面を見据える。
ノイズの向こう。
誰かが“いる”。
【こんばんは】
文字が変わる。
【初めまして、ボス】
「……セブンだな」
【ご名答】
少しだけ、文字の表示が歪む。
まるで笑っているみたいに。
【あなた、一人になりましたね】
「……それが狙いか」
【さあ?】
ノイズ。
【でも、いい機会でしょう】
「何のだ」
一瞬の間。
そして——
【“対等に話す”機会ですよ】
静寂。
マフィオソはゆっくりと背もたれに寄りかかる。
「……チャンスの犬か」
【違います】
即答。
【彼は“面白いから付き合っているだけ”】
「同類か」
【褒め言葉として受け取っておきます】
わずかな沈黙。
「カポとラクティーはどうした」
【さて】
画面が一瞬ブラックアウトし、
すぐに復帰する。
【無事かどうか、気になります?】
その一言。
空気が凍る。
「……」
だがマフィオソは動じない。
「脅しとしては弱いな」
【そうですか】
少しだけ間。
【じゃあ、これはどうでしょう】
画面に一瞬だけ映る映像。
暗い路地。
動く影。
「……」
すぐに消える。
「……位置は」
【教えません】
きっぱり。
【代わりに——】
文字がゆっくりと浮かぶ。
【ゲームをしましょう】
マフィオソの口元が、わずかに歪む。
「……いいだろう」
低く。
「乗ってやる」
【さすが】
ノイズが少しだけ強くなる。
【ではルールは簡単】
【あなたは“ここ”から動けない】
「……」
【動いた瞬間——】
一拍。
【誰かが困る】
静寂。
「……なるほど」
マフィオソは目を細める。
「足止めか」
【いいえ】
すぐに返る。
【“選択”ですよ】
その言葉。
「……面白い」
ぽつりと呟く。
完全に火がついている。
外・夜
リエーレとソルが走る。
「急げ」
「はい!」
「だが焦るな」
「……はい!」
その先にあるのは——
消えたGPSの先。
そして、
見えない“仕掛け”。