南の大地、リアソンくんの出身地は宗教文化が盛んな場所だ。以前私はそこにラムリくんとナックくんと行ったことがあるけれど、
変わった決まりなどはないが教会が多く見られた。
南の大地滞在2日目の時に「ミヤジ」という軍医様に出会った。
その軍医様は頭から羊の角が生えていた。
その方の外見はとても美しく
綺麗な銀髪と優しげな憂いを纏った青い瞳をしていらっしゃった。
私がその方と話していると軍医様に話しかけて来た子供が
ミヤジさんのことを「ソテイラ様」と呼んだ。
子供との会話が終わったのを見計らって私は
「ソテイラ様と呼ばれて居ましたが、
ソテイラとはどんな意味なのですか?」と聞いた。
彼は「救世主という意味がありますよ。ルカスさん」と言った。
…………数年後屋敷に彼とそっくりの方が悪魔執事になった。
名前、姓も、外見も何もかも全て一緒だ。
そんな彼が来てから数百年後テラスに行こうとしたら
不意に彼の独り言が聞こえてしまった。
「死こそ無償の愛である」「死こそ救いであるのだ」と。
きっと彼の過去に関係している言葉だろうと思いつつも
聞かなかったことにした。
……彼を生かすという選択はきっと間違っていなかった。