テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
116
風夜
335
102
「……は……?」「そうだろう?」
ARKHEが口角を吊り上げて笑う。
「……何の話だよ……?」
「しらばっくれるな」
ARKHEは再びかなめの怪我している方の腕を掴む。
「……ッ……」
かなめは痛みにか顔を顰めながらもフイと顔を背ける。ARKHEは勝ちを確信した顔で
「この傷、鬼の爪で抉られたのだろう?」
と再び問いかける。かなめが顔を俯けた。
「……ッさっきから……」
かなめの声が震える。
「……?」
「“鬼って何だよ!!”」
その瞳には欠片ほども嘘の輝きは無く、本物の怒りと、そして“困惑”が浮かんでいた。
「……嘘、だろ……?」
ARKHEが一歩、また一歩と後退りする。
「じゃあ、かなめ……その腕は……」
かなめは自分の腕の傷に触れる。
「……ッ……分かんねぇんだよ……」
鬼殺隊ならすぐに分かる、鬼にザックリと斬られた傷だ。とすると……
「……記憶が……無いのか……?」
「……何の話だよ?」
かなめの瞳が揺れる。
瞳の奥で光と闇が交錯している。
「…………お前は……」
ARKHEは言いかけて踏みとどまった。
(『記憶が無いのか?』なんて聞けない、聞けるはずが無い……そんなことを聞いてしまったら、“こいつが壊れてしまう”……!)
ARKHEは逡巡し、ゆっくりと頭を振った。
「いや……なんでもない。変な事を聞いて悪かったな。しっかり寝ておけよ」
それだけ言うとARKHEは身を翻して出ていった。
ガチャン
「……」
急に静かになった家の中で
「……なんだったんだよ……」
『しっかり寝ておけよ』
「……ARKHEがあんなこと言うなんて珍しい」
しかし同時に彼がARKHEではない、誰か別人のようにも見えた感覚が拭えなかった。
コメント
1件
おおお、風夜さん!第8話読んだよー! 正直、この回めっちゃゾクゾクしたわ…!かなめが「鬼って何だよ!?」って叫ぶシーン、本気で困惑してる感じがガチで伝わってきて鳥肌立った。ARKHEが途中で踏みとどまって「こんなこと聞いたらこいつが壊れる」って考えるところもグッときた…お前、そういうとこあるんだな、みたいな。 記憶が無い?って展開、めちゃくちゃ気になる。次回マジで楽しみにしてます🔥