テラーノベル
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公開されたばかりのMV。再生回数はどんどん伸びていって、コメント欄も一瞬で埋まっていく。
「おかえり」
「待ってたよ」
「戻ってきてくれてありがとう」
「これからもついていく」
画面いっぱいに流れていく言葉たち。
その時3人はソファーに並んでそのMVを見ていた。
エンディングが流れ終わって、静かになる部屋。
若井がスマホを見ながら、小さく笑う。
「…やば、めっちゃコメント来てる」
元貴も覗き込んで、
「“ありがとう”って言うの、こっちだよな。」
って少し照れくさそうに言う。
涼ちゃんは何も言わずに画面を見つめて、指でそっとコメントをスクロールする。
「……すごっ」
ぽつりと呟いて、少しだけ目を細める。
あの時間も、悩んだ日も、全部ちゃんとここに繋がってる気がした。
若井が背もたれに体を預けて、
「…戻れてよかったな」
って言うと、
元貴が「うん」と短く頷く。
涼ちゃんも小さく笑って、
「うん」
特別な言葉じゃない。
でも、それで十分だった。
画面の中では、3人が並んで笑ってる。
画面の外でも、同じように笑ってる。
——ちゃんと、ここに帰ってきた。
その空気のまま、誰かがスマホを置いて、
「…次、どうする?」
なんていつもの調子で言う。
その何気ない一言に、2人が笑う。
未来はまだ続いていく。
でももう、不安より楽しみの方が大きかった。
やわらかい笑い声が、部屋にゆっくり広がっていった。
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