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嫌われメイドですが、王子殿下の恋人役になりました

第31話 - 第31話　甘く溺れる体温

2025年02月13日

#ファンタジー

#ロマンスファンタジー

つごもり

　時間を共有しすぎたせいだろうか。
　それとも単純にジークフリート殿下が、人心掌握術に長けているせいか。
　意のままに操られることはこれまでも何度かあったのに、無防備すぎた。

　──『そのうち、シルヴィアには求婚する』

　あんな発言を、すぐ隣で聞いたばかりだというのに。

「そ、……れはそうと、お身体の調子は、いかがですか」

　こちらを映す瞳を直視できず、曖昧に視線を逸らした。
　その場凌ぎのように尋ねてしまったが、ずっと気にかかっていたことだ。

「体力が落ちているせいで、常に倦怠感はあるが。鍛錬して回復すれば問題ないだろう」
「殿下の精神力の賜物でしょうか……。本当に、信じられないことなのですよ。本来なら立って歩くこともままならないはずなのに」

　私も＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

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