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「うーん、どうする?いったん戻るか、このまま連れて行くか」
ミリカの頭に最悪のパターンが浮かんだ。もし、このまま連れて行かれたら魔王に出会って…この先、どうなるかは大体想像がつく。
どうか、外に出してくれっ!
「そうですね、いったん彼女らの安全を確保しましょう」
「そうだな!じゃあ、いったん別れてもいいか?」
「うん!」
「ハルマリーはこの人たちを外まで連れて行ってくれ」
「うぃっす!」
ミリカとアスバルトは顔を見合わせて安堵した。どうやら、人生をかけた2択に勝ったらしい。
ミリカたちはハルマリーと呼ばれた女の双剣士と共に行動することになった。
「そういえば、君たち、不思議な匂いがするっるね」
「えっ」
「なんか、獣?みたいな…」
「そ、そんな訳ないですよ、あははは…」
「…そうっすよね!ウチの勘違いだったっす! 」
危ない。魔物であることを気付かれるところだった。ハルマリーという双剣士は鼻がいいのかもしれない。
「さぁ、着いたっすよ〜」
「ここまで、ありがとうございました!」
「いえいえっす!ここらへんは魔物が多いっすから、気をつけてくださいっすね」
「はい! 」
ハルマリーは、魔王城の中に戻っていった。
「…俺たち、自由か?」
「うん!やっと自由になれたね!」
「よっしゃー!」
「で、これからどうする?」
「あ〜、そのことなんだが、俺たちは別に同じ人生を送らなくてもいいと思う。それぞれがやりたいことをやるってことでよくないか?」
確かに、ミリカとアスバルトが同じ夢を持っているとは限らない。せっかく自由になれたのに、どちらかの人生に合わせなくてはいけないのはごめんだ。
「そうだね!…ここからは別々になるけど、お互い頑張ろう! 」
「あぁ! 」
アスバルトは方向を変えて、歩き出す。
「…じゃあな。脱出に誘ってくれて感謝する!」
「ありがとう!またね!」
私たち2人の脱出計画はこれで終わり。ここからはそれぞれの道を歩んでいくのだ。