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「…………………ただいま」

誰もいないけどね

べるちゃんは他の皆に話をしに行ってくれてる。

俺のさもさんへの思いは話さないだろうけど、うたちゃんの状態は話さないと行けない。

俺はソファに座り、なんとなくテレビを付けてみる。

でも今の俺にそれすら権利はないのかと思うと、虚しくなって直ぐに消した。

俺は、俺は…

何が、何を先走って、別れるだなんて口に出したんだろう…

さもさんを好きになったのに、うたちゃんといることなんて罪だから?

さもさんと付き合いたかったから?

あれ?なんで俺別れたんだ?

わからない、頭の中がぐちゃくちゃになる。

【…お前なんかただの屑だ。そんなお前がうたちゃんを幸せに出来るはずなんてなかったんだよ】

「っ!?」

俺は慌てて周りを見渡す。

誰もいない、当たり前だ。

「は、はは…」

そうだ、今の俺はただの塵だ。

うたちゃんを苦しませて、べるちゃんに迷惑を掛けて、ニグさんを怒らせた。

こんな、俺が…生きる価値なんて…

~♪

ポケットから鳴った音に俺は飛び上がる。

スマホを取り出すと、電話が来ていた。相手はニグさんでもべるちゃんでもなく、うたちゃんだった。

慌てて出る。

「…もし、もし…」

『…凸さん…』

電話だから、うたちゃんが一体どんな顔をしてるかわからない。それが余計に辛い。

『…凸さんの料理、また食べたかったな』

………え

『さもさんの方が魅力あったのかな、悔しいよ』

…は

『でも、凸さんがさもさんのこと好きなら、僕応援するね』

待って、ねえ…

俺は気付いたら外を走っていた。

『…けど、僕、さもさんなんかより、ずっとずっと凸さんのことが…』

ニグさんの家の前に着くとき、ちょうとニグさんがいて、ポケットから鍵を取り出しているところだった。

「凸さん!?なんでここに…」

「ニグさん!うたちゃんが!」

ニグさんは困惑しつつも、鍵を開けて俺を中にいれた。

直ぐに部屋に行くと、そこには

















「うた、ちゃん……………?」

うたちゃんが首を吊ってた。

泣いた跡があって、少しだけ開いた目は、俺に向いている気がした。

あれ、うたちゃんこんなに痩せてたっけ

違う、やつれてたんだ。俺のせいで

「きゅう、きゅうしゃ…救急車!」

ニグさんが叫ぶ。

………ごめんなさい、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい

「ごめんなさい…」

俺は泣きながら、どうしようもない謝罪の言葉を漏らした。

ごめんなさい好きだから、愛してるから

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