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絶対辰哉
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#岩本照
絶対辰哉
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同居生活、四か月半。
休日。
朝から二人で部屋の掃除をしていた。
💜「照ー」
💛「ん?」
💜「棚の上届かない」
💛「届くだろ」
💜「ギリギリ」
照は脚立を持ってきた。
💛「これ使え」
💜「ありがと」
辰哉は脚立に乗り、高い棚へ手を伸ばす。
💜「あ、あった」
古い段ボールを引っ張り出そうとした、その時。
ぐらっ。
💜「わっ!」
脚立が少し揺れる。
💛「辰哉!」
照がとっさに脚立を押さえた。
それでもバランスを崩した辰哉は前へ倒れる。
💜「っ!」
照は反射的に腕を伸ばえた。
辰哉の体を受け止める。
ドン。
勢いで二人とも床へ座り込んだ。
静まり返る部屋。
💜「……」
💛「……」
辰哉は照の腕の中にいた。
照の片腕は辰哉の背中。
もう片方は肩を支えている。
顔の距離は、ほんの数十センチ。
💜「……ごめん」
💛「怪我してない?」
最初に出た言葉は、それだった。
💜「うん……」
照はほっと息をつく。
💛「よかった」
その安心した表情を見て、辰哉の鼓動が少し速くなる。
近い。
近すぎる。
💜「照」
💛「ん?」
💜「……近い」
照もそこでようやく気付いた。
💛「……あ」
慌てて腕を離す。
💛「悪い」
💜「いや」
辰哉も立ち上がる。
二人とも妙にぎこちない。
────────
掃除を再開する。
でも。
さっきまで普通だった空気が少しだけ違う。
棚を拭く時。
雑巾を渡す時。
手が少し触れるだけで、お互い反応してしまう。
💜「はい」
💛「ありがと」
指先が触れる。
二人とも一瞬だけ動きを止めた。
💜「……」
💛「……」
すぐに何事もなかったように離れる。
────────
昼。
掃除が終わり、ソファへ座る。
💜「疲れたぁ」
💛「お疲れ」
二人同時に飲み物へ手を伸ばす。
コツン。
手が重なった。
💜「あ、ごめん」
💛「いや」
照は先に手を引こうとした。
でも辰哉も同じタイミングで手を引く。
またぶつかる。
💜「ふっ」
💛「何笑ってる」
💜「タイミング悪すぎ」
💛「確かに」
二人で笑った。
さっきまでの気まずさが少しだけ溶けていく。
────────
夜。
それぞれの部屋。
照はベッドに寝転び、昼間のことを思い出していた。
腕の中にいた辰哉。
柔らかかった髪。
近かった距離。
💛「……危なかった」
何が危なかったのか、自分でも分からない。
一方の辰哉も。
鏡を見ながら、自分の頬に触れる。
💜「なんであんなドキドキしたんだろ……」
転びそうになったから。
助けてもらったから。
きっと、それだけ。
そう言い聞かせる。
だけど。
あの時の照の腕の温もりだけは、なかなか忘れられなかった。
コメント
4件

たくさん更新ありがとうございます😊 このお話の空気感が幸せすぎる💛💜 ゆっくり確実に気持ちが 動いていて 温かくなります🥰
好きになってるんちゃうん!もしくはもう好きで、ドキドキしたんちゃうん!
みぅ🤍🥀です。 第22話、読みました…🥀 もう4ヶ月半も一緒に住んでるのに、ちょっとした接触でお互い意識しちゃう感じ、すごく良かったです。脚立から落ちそうになったのを照くんが受け止めて、距離が近くなった後の気まずさ…「近い」って言っちゃう辰哉くんと、慌てて離れる照くんの不器用さが可愛い。 昼間に手がぶつかって笑い合うシーンは、自然に距離が縮まってる感じがしてときめきました。お互い夜に1人で思い返すところ、まだ自覚してないけど確実に近づいてる2人って感じで続きが気になります。 次話も楽しみにしてますね🖤