この国「メルティニア」には、色々な種族が住んでいる。
人間族《ヒューマノイド》、獣人族《アニマルズ》、
龍神族《ドラグナー》。基本はこの三種族で、この国の周りに、各種族の国々が隣接し囲むようにあるため、交流地点のような場所になっているわけだ。
大昔、元はヒューマノイドの国だったが、メルティニアを挟んで各国が戦争を繰り返していた。
メルティニアの当時の国王ヴァーゲン・シディウスノシスが両国の仲裁を諦めずに何年も間に入り、傷付いた両国の戦士を何度も治療し、移民を受け入れた。
今もメルティニアは慈悲の国と言われ、その福祉の心を忘れずに大切に国の方針として受け継いでいる。
俺はこの国の第三王子リユージ・シディウスノシス。
メルティニアがドラグナーとの交流を深める印とし、龍神孤児院から正式に養子として迎えられた。俺には他のドラグナーと違う性質があるらしく、研究の目的もあった。
上2人の兄は完全なヒューマノイドで、全く血の繋がりがない。それでも迎えられた時から兄貴風を吹かせて引っ張ってくれた。
ヒューマノイドとしてやれることをしてくれていて、移民の統括や魔道具の研究で出張にでていることが多い。最近はあんまり見てないな。
俺は任命されるがまま龍神族の保護に関する施設の運営の管轄を任された。
あともう一つは、この国に張っている結界の魔法エネルギーに関する管理。外には危険な魔物がうようよ湧いている。
結界には膨大な魔力を必要としており、その運用には当然それ相応のエネルギーが必要になってくる。
醒乳は国が運営する孤児院のドラグナーの生命線でもあり、この国の結界の運用を任されている俺の魔法エネルギー補給。
発情を経験している女性ドラグナーしか分泌させることができない特殊な魔力がこもった体液だ。
元々何メートルもある巨大な龍の体を隠し少量の魔力で人型でコンパクトに生活しているため、余った魔力が体に溜まり過ぎてしまい、息抜きも含めて定期的に放出しなければいけない。一度龍化するのも手だが、敷地も限度がありトラブルの元なので一応禁止事項になっている。
そもそも、ドラグナーは特殊な種族なので狙われやすくなかなか自分たちの本体を人前に晒すことは無い。
両親を殺されて自力で逃れてきた子供たちも数多く孤児院に在籍している。毛皮や純血種の秘宝が闇市場に取引されていることも確認されている。
ヒューマノイドと見た目は変わらない人間型なのだが、まぁ美男美女が極端に多くてすぐにバレてしまうのだ。
それも、悲しい歴史ゆえなんだが…
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