上杉謙信、伊達政宗、前田利家による三国同盟が結成され、その力は日本列島を北から揺るがしていた。京都に陣取る上杉家の統治はますます堅牢となり、謙信は信念に基づいた政を貫いていた。しかし、その安定も嵐の前触れに過ぎなかった。
北陸・東北の雄たちが力を合わせた同盟は、天下統一を目指す三勢力の中でも抜きん出た結束力を誇っていた。政宗が東北から優秀な兵と戦術を持ち寄り、利家が統率力をもって北陸を固める。謙信は京都で政を進める傍ら、同盟をさらに強化していく。
「戦の勝敗は数でも武力でもない。絆と志だ。」
謙信の言葉に政宗と利家は深く頷いた。三人の団結は、ますます盤石なものとなる。
一方、織田信長と武田信玄は相変わらず互いを睨み合い、牽制し合う日々を過ごしていた。信長は上杉家との戦いを見据えつつ、同時に武田家の弱点を探る諜報活動を強化していた。
「敵を知り、己を知れば百戦危うからず。武田も上杉も、必ず隙を見せる。」
信長は忍びの動きを活用し、戦場を有利に進めるための伏線を張り巡らせていた。その動きに対し、信玄も冷静だった。彼は信長の策を読みつつ、次の一手を着実に準備していた。
そんな中、九州を統一した島津家が動き出した。義久は密かに軍を土佐湾へと進め、土佐を拠点とする長宗我部元親との戦端を開いた。激しい潮風の中、海と陸を舞台に繰り広げられる戦いは熾烈を極めた。
「この地を制することで、さらに勢力を広げる足がかりを築く。絶対に勝たねばならぬ。」
義久の指示のもと、島津軍は独自の戦法で長宗我部軍を追い詰める。一方で、元親もその巧みな戦略で島津軍に応戦し、一進一退の攻防が続いた。
北から迫る上杉、東に睨みを利かせる織田、そして西から勢力を広げる武田。さらに南から台頭する島津の動きは、日本全土を巻き込む戦乱の新たな波を呼び起こした。
三つ巴どころか、四つ巴の戦いの様相を呈していく日本列島。誰がこの戦いを制し、天下を統一するのか。その答えはまだ、深い霧の中に隠されている。
第九話「長宗我部、反撃の烽火」
土佐湾で激突する島津軍と長宗我部軍。その勝敗が日本全体の勢力図に影響を与えることは必至だった。一方、上杉謙信は朝廷の信頼を得たことで次なる行動に踏み切る。果たして長宗我部元親の反撃は島津軍を退けることができるのか――そして、信長と信玄の対決の行方は?
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