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俺が今進む道から1本の道が派生した。前からぼんやりとは見えていたがこの日はっきりと姿を表した。今進む道は心地よかった。だが満ち足りなかった。俺は新しい道を選んだ。
6⁄10
正解だった。こっちを選んで良かったと心から思った。この道に終わりなどないと思った。足取りは軽かった。
6⁄20
侵略者が現れた。この道を俺から奪おうというのだ。しかし彼はなぜか諦めていった。
7⁄20
ジメジメとした梅雨の空気、鋭い日差しが肌を焦がす。いつもなら倒れ込んでしまうところだがこの道では歩き続けられた。
この夏、侵略者は幾度となく現れたが1人目の彼同様すぐに帰っていった。
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雨が振り始めた。雨は嫌いだ。今年は秋雨前線の訪れが早い。今は我慢。
9⁄28
雨はかれこれ1ヶ月ほど降り続いている。なんだろう、嫌な予感がする。
10⁄1
道が尽きた。断崖絶壁、行き止まり。ここで始めて後ろを振り返る。ない、さっきまで歩いて来た道が。足元が崩れ始める。自分の命の終わりを察する。え、やけに冷静じゃないかって?死に際にバタバタしたくない。俺は落っこちた。一命はとりとめたものの時間の問題だろう。
3⁄21
俺は死んだ。
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