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「(結局お互いに情報収集しつつ経過観察か…厄介なのを持ち込んだな。)」
本部では《ルド下界へようこその会》が開かれておりラムレザルは皿に数品をよそって酒をたんまり持ちバルコニーでそれらを食べることに。
「(まさかリヨウの所でも同じのが出てたとは…《核》が人器だから異様にタフになって攻撃性が増すのか?)はあ……」
「お疲れのご様子だなダーリン」
後ろから声をかけられ振り返るとエンジンが酒片手に立っていた。
「倒しても倒しても終わらない駆除に書いても書いても尽きない報告書に疲れてんのよ。で、なんの用?ハニー」
「……お前のとこも出たんだったよな」
「まぁね。」
どうやら、エンジンはふざけに来たわけではなさそうだ。
「これからどうする?」
「とりあえず仲のいい族とかに聞いて回るつもり。裏の人間は色んなことを知ってるからな」
「オレもオレなりに情報を集めてみる。」
「いい情報があるといいんだが…っておいこの野郎。」
「ん〜?」
「近ぇよ」
対面座位の様に座るエンジンにラムレザルは肘を入れた。
「えぇ〜?ダメか?」
「明日朝イチで入ってんの。お前の相手はしてらんねぇ。あとまだ期間中だろ」
「怒ってらっしゃる…?」
「そう思うならワタシの労基について見直すようアイツに言ってくれ」
かなりご立腹の様子のラムレザルを見たエンジンはボスに同情した夜であった。
☎((ジリリリ
「おはようございます掃除屋です。ご依頼ですか?」
朝方一本の電話が本部に鳴り響いた
「ということで新しい依頼が入った。」
「…姐さん一つ疑問があるんやが何で見習いのコイツがおるん?」
朝早くから呼び出されたルド達は新しい依頼についての説明をされた。
「確かに俺はコイツの教育がかりやけどそれは《正式に掃除屋に入ってから》の話じゃろ。こいつまだ掃除屋じゃないで」
明らかに不満な顔をするザンカにセミュはこう続けた。
「ルドを呼んだ理由はこの依頼内容にある。」
依頼はこんな内容である
《汚染域を横断していた商人が1体の斑獣に襲われ “重要な荷” を奪われた。掃除してその荷を必ず取り返して欲しい》と
「その荷は天界から落ちてきた生者よ」
「!?」
「立て続けに生きた状態の天界人が発見されるのは明らかに異常。この件は天界人であるルドが実際に行った方が良いと判断した。それに何か上に戻るヒントも何か分かるかもしれない」
「………」
困惑しているルドにフォロは行くか行かないかはお前が決めるんだ、と言った
「(力を上手く扱えない…またみんなに守られるだけの足でまといになるかも…でも、上に戻るヒントがそこにあるなら…)行く」
「………OK。でもねちょっとしたトラブルがあって本来ならエンジンに同行してもらう予定だったんだけど別の仕事で行けないのよ」
「ラムは?」
「あの子ならまだ陽も昇らないうちに仕事よ。でもついさっき全部終わらせたみたいだから現地で待機させてるわ」
「(ラムと仕事…!これを機にあの日の約束を…!)仕事じゃけぇな!張り切ってやらないけんなあ!」
「朝っぱらから元気で何より…バーガー美味っ」
なんて浮かれているザンカに呆れながらバーガー片手に報告書を書いているラムレザル。
「ラム、お前大丈夫か…?ていうか何時に起きた?」
「え?2時ぐらい?寝たのは1時とか」
「それは寝るじゃなくて仮眠って言うんだよラムさん」
この人マジでいつかぶっ倒れるんじゃないかと不安になったフォロとグリスであった。
「ン?お前依頼主か?」
「そうです。よくぞ来てくれました。」
ラムレザルの視線の先にはア〇ビエみたいな見た目の依頼主。
「荷物を取り返して欲しいとのことだが見つけた天界人は?話したりしたか?」
「商品運んでる最中たまたま見つけて保護したのです。意識無い状態だったから何も聞けてない」
「なるほどねぇ…(にしてもこの依頼主なんか変だな…まあここじゃ変な奴しかいないから無理もないか…)」
「私も天界人心配です…だから早く斑獣から取り返したい。」
「(取り返したい?助けてあげたいじゃなくて?)………分かった。案内してくれ」
依頼主を先頭にして斑獣が逃げ込んだと思われる建物の前にやって来た。
「ザンカ(小声)」
「ん?」
「いつも以上に気ぃ引き締めろ(小声)」
「お、おう…」
ラムレザルはザンカに指示して中に入る。
「!あそこ誰かいるぞ」
「天界人!!早く!!今の内に!!」
依頼主がルドの背中をぐいぐい押して急かすように移動させた。
「…オイ、あれ…人間じゃねぇぞ」
人かと思われたものはただの人形だった。
「はやぁくはやぁぁく!天界んんんん!!!」
「んなっ」
「このっ!」
依頼主が騒ぎ出すと同時に足場が崩れ下に落ちた。
「大丈夫ですかー」
「!」
「みんな無事だ!」
「てか何だよここ!!」
「攫われた天界人は?」
全員が騒ぐなかラムレザルだけは冷静になり依頼主を見つめていた
「いるよ。天界人は」
「は?」
「え…」
ラムレザルは懐から愛用の銃を取りだし依頼主の眉間を撃ち抜いた。
「な…」
「ラム!?何して…!」
「探している天界人はお前だルド」
「え…?」
「そしてワタシ達はまんまとおびき出された」
ラムレザルの声がどんどん低くなっていくのにザンカ達は恐怖した。
「やっと来た人通者の天界人」
「ふぅ…お前ら暇なの?」
暗闇から姿を現したのは口紅が目立つ女とスキンヘッドの男の2人組。
そして目立つの紫色の懐中電灯。
「辞めてから何年になるかな…荒らし屋なんて」
「その天界人もらうねぇ」