テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
……ここ、どこ…
見覚えのない空間と、見覚えのある人。そこに立っていたのは幼い頃のボクだった。ああ、そういえばこんな夢見たような気がするな… でも、本当にそうなのかな。君は……ボク、なのかな。
たとえボクに似ていたとしても、この子は誰かの想いから作られた子供なんだから。
せめて作り笑いしないと。こんな暗い顔をしている人に近付こうなんて考える人なんてきっといないと思うし。作り笑いはまふゆほど慣れていないから上手いかは分からないけど。でも作り笑いした時に、あの子は微笑んだ気がする。「……あなただぁれ……?」ちっちゃいからあまり滑舌が回っていなくて本当に子供みたい……触ることすら少し怖かった。だってもし、この子が泣きだしたら?ボクは泣き止ませるどころかきっと、ボクまで泣いてしまう気がする。でもまずは何事も、話しかけることが大切だよね。
「えーと、キミ、迷子?にしても、お洋服可愛いね!」と話題を振る。
「そうでしょ!このおようふくね、お姉ちゃんにつくってもらったんだよ!」
ああ、確かに昔は良くお姉ちゃんに作って貰っていたな。最近あの服着ていないな。ティアリボン、新作出してくれないかな。カワイイ服をまた……着たいな……そう思うと涙が零れる。
「だいじょーぶ……?」この子の純粋な優しさに触れる。その度に痛い。カワイイ服を着たい。あの頃のように、またお姉ちゃんと買い物をしたり、かわいい服を着たい。でも……ボクは。ボクにその資格……は……ないんじゃない、かな?
ハサミで自分の髪を切れば。みんなの言う“普通”になれば。悪い考えしか浮かばない。最近ずっとこうだ。
「なきやんで!ほら、なでなでしてあげるから。」
……あたたかい。人の温かみに触れたのはいつぶりか。1、2週間は触れていなかった気がする。外に出ていないから、当たり前か。
今はこの温かみに甘えていたい。……ただ、それだけ。
あ……眠たくなってきたな…どうせセカイなんだ。今は昼頃のはずだし…セカイで寝てても、大丈夫……だよね。
そう思い、目を閉じた。