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第52話『蒼天、動く』
黒龍国本陣。
巨大な玉座の間。
静寂が支配していた。
黒龍王の前には中華全土の地図。
その上には無数の駒。
虹国。
王都。
北西平原。
南西防衛線。
東部街道。
全てが示されている。
黒龍王はゆっくりと一つの駒を持ち上げた。
蒼色の駒。
そして地図の中央へ置く。
「行け。」
短い命令。
その言葉に。
蒼厳将軍が静かに頭を下げた。
「御意。」
その瞬間だった。
黒龍軍全軍へ新たな命令が伝達される。
『第一席出陣』
その報告は各戦場へ届いた。
北西平原。
なおきりと黒牙の戦場。
#リゼロ
すず
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33
黒龍軍の兵たちが歓声を上げる。
「蒼厳様が出陣された!」
「勝ったぞ!!」
その反応に虹国軍は困惑する。
じゃぱぱが眉をひそめた。
「なんや。」
「出陣しただけやろ。」
しかし。
黒牙は笑わなかった。
むしろ。
真顔だった。
なおきりが気付く。
「どうした。」
黒牙は空を見上げる。
「終わりだ。」
「蒼厳が出た。」
その一言。
黒牙ほどの怪物が。
蒼厳の出陣を聞いてそう断言した。
じゃぱぱたちの背筋に寒気が走る。
王都。
軍議の間。
緊急伝令が飛び込む。
「報告!!」
「蒼厳将軍出陣!!」
部屋が静まり返る。
のあが地図を見る。
「どこへ向かったの!?」
伝令は答える。
「不明です!」
「ですが率いる兵力は十五万!」
全員の顔色が変わる。
十五万。
虹国全軍にも匹敵する大軍。
しかも。
それを完全統率する男。
『蒼天の統率者』。
光金王は静かに目を閉じる。
「来たか。」
その声には。
初めて緊張が混じっていた。
一方。
黒龍軍本隊。
十五万の軍勢が進軍していた。
どこまでも続く黒い列。
そしてその先頭。
蒼厳は無言で馬を進める。
副官が尋ねる。
「王都へ向かわれるのですか。」
蒼厳は首を振る。
「違う。」
副官が驚く。
王都ではない。
ではどこへ。
蒼厳は地図を見る。
そこには一つの場所。
北西平原。
なおきり。
じゃぱぱ。
シヴァ。
そして黒牙が戦う場所だった。
蒼厳は静かに言う。
「第四席が苦戦している。」
「なら私が終わらせる。」
副官が凍りつく。
十五万の軍勢。
それが北西平原へ向かう。
なおきりたちはまだ知らない。
黒牙との死闘の最中。
さらに最悪の敵が近づいていることを。
そして。
黒龍王は玉座で呟いた。
「虹国。」
「ここからが本当の絶望だ。」
その言葉通り。
戦局は黒龍国側へ大きく傾き始めていた…。
コメント
1件
第52話、読みました……! 蒼厳将軍、ついに動きましたね。「行け」の一言だけで放たれる重みがすごい。黒牙が「終わりだ」って断言したときの空気、背筋が冷えました。あの黒牙にそう言わせる相手って、どれだけの怪物なんだろう……。光金王に初めて緊張が混じったのも、すごく印象的でした。この将軍の登場で一気に風向きが変わる予感。なおきりたちがまだ知らない絶望が近づいてくるラスト、たまらないです。🍙さんの重厚な戦況描写、今回も心に残りました。続きが気になりすぎます……!