テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
ガチャン、と鍵を開けて、一歩室内へ足を踏み入れた瞬間だった。
「――ッ!?」
背後から凄まじい衝撃。
突き飛ばされた春菜の身体は、玄関のフローリングに激しく叩きつけられた。
心臓が跳ね上がる。
バタン!と大きな音を立ててドアが閉まり、内鍵がかけられる金属音が響いた。
恐怖に震えながら振り返った春菜の目に映ったのは、あの配達員の男だった。
男は狂気に満ちた、血走った目で春菜を見下ろしている。
「あの男、誰だよ……! 俺がこんなに愛してやってるのに、何なんだよあいつは!!」
逆上した男は、春菜の抵抗をあざ笑うように、持参した太い粘着テープで彼女の両手を乱暴に後ろへ縛り上げ、口を塞いだ。
「いや……っ! んぐっ、んん――!」
声にならない悲鳴。
男は春菜の恐怖を喜ぶように、着ていたお気に入りの服をバリバリと容赦なく引き破っていく。
(嫌だ、嫌だ、助けて、佐久間くん――!)
男の汚い手が下着に伸びた、その瞬間。
春菜は反射的に、残された両足に渾身の力を込め、男の胸元を思い切り蹴り飛ばした。
「ぐはっっ!?」
男が後ろにのけぞって怯んだ、ほんの一瞬。
床に転がっていた自分のカバンを、後ろ手に縛られたままなんとか手探りで掴み取り、ほぼ下着のみの格好になりながらも、なりふり構わずベッドルームへと駆け込んだ。
中から扉を足で押し閉める。
後ろ手に固く縛られた手では口のテープを剥がすことができず、春菜は壁に顔を擦り付け、皮膚が裂けるような痛みに耐えながら、必死に口の粘着テープを強引に剥ぎ取った。
「はぁっ……はぁっ……!」
荒い息を吐きながら、後ろ手でなんとかカバンを開け、スマホを手探りで引っ張り出す。
手元がろくに見えないまま、後ろ手で画面を操作し、発信履歴の一番上にある「大介くん」の名前を、震える指で奇跡的にタップした。
繋がって、お願い、繋がって……!
機械的な呼び出し音が、永遠のように長く感じられる。
プツッと音が切れ、スピーカーから聞き慣れた愛おしい声が響いた。
『もしもし、春菜? どうした、忘れ物でも――』
「佐久間くん、助け……っ!!」
叫び声と同時に、凄まじい衝撃音。
ベッドルームのドアが激しく蹴り破られた。
「大人しくしろって言ってんだろ、この売女が!」
男は春菜に襲いかかると、彼女が後ろ手に持っていたスマホを力任せに奪い取り、容赦なく壁に叩きつけた。
ガシャアンッ、と凄まじい音を立てて液晶が粉々に砕け散り、スマホは完全に沈黙する。
直後、目の前がチカチカと光った。
頬に激しい衝撃と熱い痛みが走り、春菜はベッドの上へ吹っ飛ぶように倒れ込む。
顔を殴られたのだ。
頭が激しく揺れて身動きが取れずにいる春菜を、男はベッドにねじ伏せ、手際よく両足までも粘着テープで固定した。
「助けなんて来ねえよ。玄関の鍵は閉めたし、お前のスマホもアレだ。誰もここには来ない」
男の冷酷な嘲笑が、絶望となって春菜を包み込む。
何一つ抵抗できないまま、再び口を塞がれ、残っていた下着も無残に引き裂かれた。
冷たい空気が肌に触れる。
男は粘着質に、時間をかけて春菜の身体を弄り回した。
春菜はもう、声を出す気力すら奪われ、ただボロボロと涙を流すことしかできなかった。
やがて、男が欲望に満ちた目で、春菜の足の間に身体を割り込ませようとした。
(それだけは、絶対に嫌――!!)
必死に身体をよじると、男は忌々しそうに、春菜の顔を再び二発、強く殴りつけた。
ガンッ、と鈍い音がして、視界が急激に暗くなっていく。
頬の激痛、そして圧倒的な絶望。
(ああ、もう、ダメなのかな……)
意識の糸がぷつりと切れかけた、その時だった。
――ドンッ!!!!
ガシャアアアアン!!!!
リビングの方から、耳を裂くようなガラスの破裂音が響き渡った。
コメント
1件
え、ちょっと待って……これ第8話!? ヤバすぎるでしょ!!😭💦 春菜ちゃんが家に侵入されて、追い詰められて、それでも必死にスマホを探して佐久間くんに繋ごうとしたけど……無情にもスマホ砕かれて絶望に叩き落とされる流れが胸痛すぎる……。てか、あのラストのガラス破裂音!何が起きたの!?まさか佐久間くんが助けに来たとか!?いやもう続きが気になりすぎて夜しか眠れません!!るるさんマジで続きお願いします…!!📱💔🔥
💙青椒肉絲🧡
99
#あべさく
うめぼし
439
楪羽*yuzuriha*
1,542