🖤side
歌には少し自信がある俺。
今日の課外授業は歌のレッスン。課題曲をみんなで練習している。アクロバットでは少し遅れを取っているけど、ここで挽回したい。そう思って、俺は前日からしっかり練習して授業に臨んだ。
対して、宮舘先輩と渡辺先輩は、歌は今日が初めて。渡された譜面を見ながら、2人とも見よう見まねで俺たちに続いて歌う。
💛「え……」
初め、岩本先輩が声を上げた。
レッスン室には、みんなが、一斉に度肝を抜かれるような美しい歌声が響く。
渡辺先輩は、どんな高音部も自由自在に歌い上げる超絶美声の持ち主だった。
ボイトレの先生が興奮して立ち上がり、惜しみない賞賛を贈っている。 普段厳しい先生だから、そんな姿を見るのは俺も初めてだった。
そして、俺は、渡辺先輩の声に、恋をした。
もともと綺麗な人だなとは思ってはいたけど、こんなに美しい声の持ち主でもあったなんて…。天は渡辺先輩に一物も二物も与えたらしい。
声フェチの俺は、あっさり敗北を認めて、その後の自分の番には、音を何度も外して注意された。
それくらい、衝撃的だったのだ。
いきなり来た先輩たちは、宮舘先輩のアクロバットといい、渡辺先輩の歌といい、俺たちの心を魅了してやまない凄い人たちだった。やっぱり一味も二味も違う。
🖤「渡辺先輩、歌、上手いんですね!!むちゃくちゃ良かったです!!!」
レッスン後、俺は渡辺先輩に駆け寄り、真っ先に声を掛けた。
💙「あ、ありがとう」
❤️「さすが、界隈では負けたことのないカラオケ名人」
宮舘先輩が笑って教えてくれた。
2人が通っていた高校で、渡辺先輩は、よく友達とカラオケに行っては、歌う曲の最高得点を次々と塗り替えてきたのだとか。カラオケに一緒に連れて行く女子をその声で虜にしたとかなんとか。
🖤「え?女子…?男子じゃなくて?」
❤️「あ。女も男もって意味ね」
🖤「すごいです!俺に、歌教えてくださいよ」
💙「えー、人に教えるほどでは」
そう言って、照れる渡辺先輩。でももっともっと渡辺先輩が歌うのを聴きたい。
🖤「今度俺とカラオケデートしてください!」
俺は渡辺先輩の白い手をガッチリ掴んで、お願いした。
💙「デートぉ???」
💜「おいおいおい。俺の翔子に手を出すんじゃねぇぞ」
そこにガラ悪く邪魔に入ったのは、渡辺先輩が先生に褒められている間中、ずっと不満げにしていた深澤先輩だった。
💜「翔子は、俺の女なんだからな」
何のことだかわからず混乱していると、深澤先輩は、渡辺先輩を強引に寮へと連れ帰ったのだった。
コメント
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まきぴよさんほんとに無理しないでね😢 すの学待ってた!しょっぴーに撃ち抜かれていくみんな可愛いんだけど😂