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#ハッピーエンド
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わあ…ついに、ついにベルから「好き」が聞けたんですね。レンブラントが「この時をずっと待っていた」って言うシーン、心臓がぎゅっとなりました。でもその直後のガドバルドの絶妙なタイミング……!そしてまさかの正体バレ。ベルの「はぁ!?」連発、可愛いけど混乱ぶりが痛いほど伝わってきて、思わず笑ってしまいました。二人の関係がどう転ぶのか、次の話が気になって仕方ないです!
レンブラントの気持ちがちゃんと伝わったのか、ベルは俯いた顔を上げて口を開いた。
「ずばり聞きますが、レイカールトン侯爵さまは、もうここにいらっしゃるのですか?」
「いるさ。すぐに会わせてやる」
ベルが怪我をおしてまで会いたがっていたのを、レンブラントは知っている。
望み通りの答えを与えれば、なぜかベルは唇を噛んでレンブラントの上着をぎゅっと握った。
「ねえ、レンブラントさん……約束覚えてます?レイカールトン侯爵の元に嫁ぎたくないなら、逃してくれるって」
「ああ、覚えてる」
「……あれ、まだ有効ですか?」
「有効だと言ったら?」
明確な答えが欲しくてわざと質問を質問で返せば、ベルはさらにレンブラントの上着を強く握る。
「逃げたい。だって私……あなたのことが好きだから」
レンブラントはベルの言葉を耳にした瞬間、強く強く彼女を抱きしめた。
渇望し、でも手に入らないと諦めかけていた言葉を貰えたのだ。これまで感じたことが無い幸福感が体中に広がる。
「俺は、あんたからそう言われるのを……この時をずっと待っていた。好きだ、ベル。あんたが俺を好いてくれる前から、ずっと好きだった」
腕の中にいるベルが、小さく震えるのがわかった。
更に強く抱きしめ、彼女の髪に顔をうずめる。甘い香りが鼻腔をくすぐり、レンブラントは不意に涙が零れそうになった。
触れるだけで、こんなにも愛おしく、胸を熱くさせるものがあるなんてレンブラントは知らなかった。
ただ、レンブラントはベルに伝えなければならないことがある。
それは出会ってからずっとずっと、抱えていた秘密だ。
「ベル、聞いてほしいことがある」
「なんでしょう?でも、その前に……ちょっと苦しいです、コレ」
くぐもった声が腕の中から聞こえて、レンブラントはすこしだけ緩める。それから膝を折って、ベルと目線を合わせた。
「あのな、実は──」
「ぅおっほんっ、取り込み中悪いがちょっといいか?」
レンブラントが意を決して口を開いたその時、まるで図ったかのようにガドバルドがひょっこり顔を出した。
「ああ、構わない」
邪魔をするなと言いたい気持ちをぐっと堪えて、レンブラントは顔だけガドバルドの方を見る。
腕を解かないのは、ベルが真っ赤になった顔を自分の胸に押し付けているから。確かに身内にこういう所を見られるのは恥ずかしいという気持ちはわかる。
だからレンブラントは、さっさとガドバルドを追い払うために目だけで「要件を早く言え」と訴えた。
「一先ず連中は、王都へと護送することにした。あと、雇われていた手練れたちは、ここの詰所で対処するようにした。でもって、隊長殿はどうする?すぐにでも王都へ向かうか?」
「いや、一旦はフローチェの屋敷に戻るつもりだ。怪我人の手当てもしたいしな。おっさんは、悪いが先に向かってくれ」
「わかった。何かあったら馬を走らせてくれ」
「了解、では道中気を付けてな」
早口で会話を終えた二人は小さく頷き合い、ガドバルドは背を向けて再び外へと向かう……と、思いきや、ガドバルドは倉庫の出口まであと3歩といったところで足を止めた。
そしてくるりと振り向くと、意地の悪い笑みを浮かべてこう言った。
「では、姪のことはお任せしますよ、レイカールトン侯爵。くれぐれも私に殴られるようなことがないように」
「ああ、わかってる。おっさんも気を付けて帰ってくれ」
レンブラントは笑って応えたが、内心は苦々しい気持ちでいっぱいだ。
(くっそ。まさか、こんなふうに伝える結果になるとは!)
覆水盆に返らず。伝えるタイミングはいくらでもあったのに、自分がもたもたしていたせいでこうなってしまったのだ。
自業自得だと自分に言い聞かせたレンブラントは、腕の中で目を白黒している彼女に視線を向けた。
「どーも、初めまして。レイカールトン侯爵です」
そう言った瞬間のベルの顔は見ものだった。
「はぁ!?なんでっ。なんでっ、レンブラントさんが……どうして!? は?はぁ??レイカールトン侯爵って……はぁ!?」
人が混乱したときに取る全てのリアクションを見せるベルを、レンブラントはぎゅっと抱きしめた。
今にもベルが、自分の元から逃亡しそうだったから。