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坂本龍馬の死から数日が過ぎ、戦局は一時的に静まり返った。雅也、加藤、そしてウィリアムはそれぞれの目的を果たすため、次の一手を考え始めていた。その中でも特に注目されたのは、イギリス軍との関係だった。
雅也は、戦の終息後、イギリス軍との会合を設けることを決意した。イギリス軍は、黒潮軍の増援として参戦し、空からの攻撃や海上戦において重要な役割を果たしてきた。だが、戦争が終わるとともに、その役割を終え、イギリス軍は日本を去る時を迎えようとしていた。
「イギリス軍には報奨を渡さねばならん。」雅也が口にした言葉は、冷徹にして確実だった。
加藤が冷静に言う。「だが、報奨を渡した後、どうするつもりだ? もうこれ以上、イギリス軍に関わる理由はない。」
雅也は少し考え込みながら答えた。「今はただ、礼を尽くして終わらせるだけだ。」
「その通りだ。だが、それが終わったら、彼らとは“バイバイ”だな。」ウィリアムが皮肉っぽく言った。
報奨の場は、戦後の一時的な平穏を象徴するように、ひっそりと行われた。雅也はイギリス軍の指揮官、ウィリアム・サマーズ大尉を呼び、両軍がともに勝利を収めたことを祝い、報酬を手渡した。
「これが我々からの感謝の印だ。」雅也が静かに言うと、ウィリアムは冷静に受け取った。
「我々はただ契約を守ったまでだ。」ウィリアムが言うと、雅也は微笑んだ。「そうだな。だが、契約が終わったら、もう何も関わることはない。」
ウィリアムは一瞬、険しい表情を浮かべたが、それをすぐに隠し、冷徹な笑みを浮かべる。「それは分かっている。」
報奨が渡された後、両者の関係は完全に終結した。
「これで、イギリス軍とは“バイバイ”だな。」ウィリアムはにっこりと笑い、雅也に手を差し出す。雅也はその手を握り返すと、言葉少なく頷いた。
「ありがとう。だが、もう会うことはないだろう。」
イギリス軍の撤退は迅速に進んだ。黒潮軍と結託したイギリス軍は、戦局において圧倒的な力を発揮したものの、その任務を終えた後、イギリス本国への帰還を決定した。
港には、大きな船が並び、撤退の準備が進められていた。イギリス軍の兵士たちは、雅也に一礼し、黒潮軍との関係がここで完全に断絶したことを示した。
「イギリスにはもう関わらない。」雅也は静かに呟き、加藤がそれに続いた。「ああ。これで、次のステップに進む時が来た。」
彼らは、遠くに浮かぶ船を見つめながら、それぞれの思いを胸に抱えていた。
イギリス軍が日本を去ると、再び戦の匂いが薄れ、戦後の静けさが戻った。だが、雅也の心にはまだ決して消えることのない闇が残っていた。
「これからが本当の戦いだ。」雅也が呟くと、加藤が横に立って言った。「お前の戦いも、俺の戦いも、もうすぐ終わるだろう。」
ウィリアムも同様に静かに言った。「だが、俺たちの運命が交わった場所が、これからどうなるかは、まだ誰も分からない。」