テラーノベル
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忘れもしない、いつだっけ。
僕が君に恋したのは。
一目見た瞬間僕は君を絶対に僕のものにしようとした。
タレ目で一重。
ちょっとボサボサの金髪。
ピッチピチの長袖にジャラジャラのズボン。
僕は特にタイプではなかった。
でも惹かれてしまった。
バンドという理由で話しかけた。
君は優しくてほわほわしてる声だった。
その声すら欲しくなった。
「元貴……お前、大丈夫かよ、、」
若井になんて言われたって、君を僕のものにするんだって決めてたから。
君のピアノは綺麗で柔らかくて、どこか虚しくて、とある曲を弾くと毎回悲しそうな顔をする。
「涼ちゃん、その曲弾くたび、なんでそんなに悲しそうな顔するの?」
「してたかな……。この曲はね、大切な人とよく弾いていた曲なんだ。」
涼ちゃんには大切な人がいたらしい。
フェーズ1が終わった頃だろう。
君の容姿が、変わり始めた。
髪をのばし、メイクをして、スキンケアをするようになった。
まぁ、打ち合わせで決まったんだけどね。
そんな時涼ちゃんと若井を同居させた。
いつもバチバチしてたからね。
そんなバチバチもすぐになくなり仲良くなった。同居やめなよ、と言ったが
「フェーズ2が始まるまでは続けていたい 」
とか言うからさ、正直若井に嫉妬した。
ま、若井にはバレてたんだけどさ。
「……La……LaLaLa__」
いいじゃんこのフレーズ。
あれ……なんか聞いたことあるような……。
最近こんなことが増えた。
無いはずのメロディが走馬灯のように流れ出してくる。
「LaLa__Laー……〜nn-」
「……なんで、……元貴、その鼻歌……」
「え?……なんの曲だっけ、なんか浮かんだからさ。」
「ううん。なんでもない。」
『これは僕と君だけのメロディだね!』
「……?なんか言った涼ちゃん?」
「ん?何も言ってないよ」
最近夢に男の子が出てくる。
容姿は違うけど涼ちゃんと似た雰囲気の子。
よくその子と歌を歌った。
その子はピアノが上手。
ずーとニコニコ笑ってた。
すごく居心地のいい夢。
「Laーnn-……lalala……」
いいメロディ。
でもすごく悲しくなる。
君が泣いてるところでいつも夢は終わる。
「ごめんね……」って。
毎日、名前も知らない君と歌を歌う。
雨が降った日だった。
夢に君は出てこなかった。
ピアノだけが取り残されていた。
君が弾いていた音じゃない。
調律がズレている。
100年以上調律されてないもののようだった
でも気持ち悪くなくて。
でも何故か気持ち悪くて。
考えれば考えるほど分からなくなる。
最近リリースした天国に合いそうなピアノの音。
涼ちゃんが弾いていた時を思い出し、見よう見まねで弾いてみる。
あれ?
なんでだろう、すごく重い。
「……。」
「元貴、起きた?」
「ん、起きた……」
「なんで……涼ちゃん。」
「覚えてると思ったんだけどな……。」
「今日は君の命日なんだ。」
「命日……?俺の?……俺死んだの?」
「違う違う、前世の君。」
「よく歌うでしょ?」
「lalala……nn-……って。」
「……まぁ……?」
「このフレーズはね。君と考えた取っておきのフレーズなの。」
「……。」
「ま、いいや。思い出せなさそうだし……」
「……そんな、悲しそうな顔しないでよ。」
「ほらっ笑顔。ニコって。」
『ねぇ、君迷子、?』
『……ほらっ笑顔。ニコって……』
『へへっ、笑顔ってすごいんだよっ。』
『僕は……&*$*☆♯っていうの。』
『……ぇーと。そうだよね……んー。』
『リョウチャンって呼んだりしてッ』
『ごめんね、守れなくて。』
『ごめんっ……僕のこと恨んでもいいから』
「あれ……ごめん涙が……笑」
「帰るね、」
「……。」
「僕は最後に謝って欲しくなかった。」
「リョウチャンは悪くなかったじゃん。」
「僕が……。あれ……なんだっけ。」
「っ……いいの。今はそれで。」
「いつか、いつか……思い出すでしょう。」
「涼ちゃんっ。ほらっ笑顔……ニコって……」
「……笑顔ってすごいんだよっ……」
「……ハハッ……」
忘れもしない、いつだっけ
ネタにしようと思ったのに……
なんか変になったね。
お藤さんの迷言いいよね笑
コメント
1件
タイトル見て吹きました笑りょうちゃんの迷言ですね! 今回も最高です♪