月陽が住んでいる場所から図書館は昨日行った喫茶店へ行く道の手前付近にある。
途中で道筋は変わるが、公園まで行かなくてはならない。その道中は桜が見られる。だが、月陽は昨日以上に関心がなく、昨日の感動が、薄っぺらいものに感じる。
雲で覆われた空は雨の気配を感じさせる。
月陽の目的の市民図書館は公園の中にシンボルの様に建てられている。
入口前には一際大きい噴水があり、昔はスケボーを乗る人達が噴水周りをクルクル走っていた。だが、近隣住民の声により、スケボーが出来ないよう工事がされてからはパタリと見なくなった。
月陽は図書館の自動ドアを進み、休憩所のようなエントランスで、スマホを見る。
(まだ、送られてきてる)
スマホには夜桜から何件かメッセージが来ているがどうするのが正解なのか、なんで絡んでくるのかが分からずに無視をしている。
月陽は2つ目の自動ドアを通り、本の匂いを感じ、今日初めて顔を上げた。
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