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次の日
「作戦は決まったけど、本当に上手く行くのかが不安だな………」
京都に潜伏する魔術師を倒す為に、僕は錬金術師である惣一郎と味方の呪術師と合流する事にした。その合流地点は、京都府京都市。敵地のど真ん中である。
僕は滋賀県北西部から、位置を把握されない様に山を越えて京都市へ。
惣一郎は大阪府北部から、妖術師の合流が悟られない様に目立ちなが
【惣一郎は任務に参加出来ず、代わりの錬金術師”晃弘”が合流する】
市へ。
呪術師は奈良県北部から、惣一郎の援護をしつつ、現地の状況をいち早く妖術師に連絡しながら京都市へ。
「――― まずは滋賀県まで移動しないとな。晃弘さんも急遽来てくれるそうだし、頑張らないと 」
京都府京都市に潜伏する魔術師の情報は、未だ不明。どんな魔法を使ってくるのか、本物の魔術師なのか。本来は、正確な情報が手に入るまで僕達の組織が送り込まれる事はない。
だが、今回は非常事態らしい。
なんでも魔術師が京都市の一角を魔法で消し飛ばしたとかなんとか。ド派手すぎだろ。
「敵の数も戦力差も不明。妖力の量は万全だけど、街中で使用出来る術は限られている……。”万が一”を考えとかないといけないな」
『戯け、俺の”狂想刀・黒鶫”は万物を斬り裂く神器だ。そう易々とお前が死ぬ事は有り得ん』
「でも相手は本物の魔術師かも知れないんだぜ?慢心は身を滅ぼすって言うだろ、合ってるか分からんけど 」
そう、もしだ。もしも『偽・魔術師』では無く『本物の魔術師』だった場合。
空間支配系統魔術師『沙夜乃』と同等か、それ以上の実力者の可能性が高い。
沙夜乃との戦いで一度も”遡行”していないが、あれは単に運が良かっただけ。
―――狂刀神のヤツは、アイツのせいだから除外だ。
とは言え、沙夜乃との戦いは実質互角。それより強い魔術師との戦いは恐らく苦戦どころでは無い。
「………9時30分。時間だ、行こう」
溜まりに溜まった不安と疑問を全て振り払い、僕は家のドアノブを捻って外へと踏み出す。
現在の季節は冬。白い結晶がヒラヒラと空から舞い落ち、花弁雪が足元でゆっくりと溶けた。
「戦いから戻った時には、積もるな。地域の除雪作業とか手伝わないといけないのかな……その時はバレないように妖術使おうか」
僕はそう呟いて、一歩踏み出した。
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次回、『第二章 10』
ここから正式に第二章が開幕です。
『遡行禍殃:外伝』『東雲譚』『Fate/Quantum Paradox』とほぼ同時進行ですが、頑張ります。